検察官の定年を65歳に引き上げる検察庁法改正案について、与党が5月15日にも衆議院内閣委員会で採決する姿勢を見せる中、Twitterではハッシュタグ「#検察庁法改正案の強行採決に反対します」がトレンド1位に入るなど、採決に反対する意見が広がっている。
15日午後の衆院内閣委員会では、森雅子法相が出席し質疑が行われる。野党側は、政治判断によって検察官の人事が左右され、「検察の中立性に対する信頼を失う」などとして法案に反発しており、定年延長を認める特例の基準を明確にするよう求める構えだ。
内閣委員会の質疑は13時50分から。インターネットでも中継される。
「検察庁法改正案」とは? なぜ反発が広がっているのか
検察庁法改正案の主な内容は、次の通り。
・検察官の定年を63歳から段階的に65歳に引き上げ
・63歳になったら検事長や次席検事といった幹部に就けない「役職定年」を導入
・役職定年や定年を迎えても、内閣や法務大臣が「公務の運営に著しい支障が生ずる」などと認めれば、定年前のポストを維持できる。
この法案には、「政権が検察人事に介入し、憲法の基本原則である三権分立を揺るがす恐れがある」として、反発の声が広がっている。
野党の立憲民主党は公式Twitterで、「検察官は国家公務員法の定年延長規定は適用しないという政府解釈を無視している」「政府から変更理由の説明がない」「検察の中立性に対する信頼を失う」などの問題点を挙げている。
日弁連や検察OBが改正案に反対
日本弁護士連合会は5月11日、改正案に反対する声明を発表した。
朝日新聞デジタルによると、元検事総長を含む検察OB有志も、改正に反対する意見書を法務省に提出するという。
「#検察庁法改正案に抗議します」 というハッシュタグが広がったTwitterでは、15日午前にも「#検察庁法改正案の強行採決に反対します」がトレンドに浮上。採決に反対する意見が広がっている。
安倍晋三首相は14日の会見で、「今回の改正で三権分立が侵害されることはもちろんありませんし、恣意的な人事が行われることは全くないと断言したい」と強調。新型コロナウイルス対策に集中するべきという声が上がっていることについて、「国会のスケジュールについては国会の中で決めてもらっている」と述べた。