ロックダウン解除する国は「気を抜かずに」WHO西太平洋地域トップ葛西氏が警鐘(新型コロナ)

「互いに繋がり合う世界のどこかでウイルスが広まっている限り、効果的なワクチンが開発されるまでは誰もに感染のリスクが残る」と指摘。
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世界経済フォーラムと世界保健機関(WHO)は5月14日、西太平洋地域における新型コロナウイルスの現状などを説明するオンライン記者発表を開いた。

発表にはWHO西太平洋地域事務局の葛西健事務局長らが出席。現状や対策などについて説明した後、質疑応答で新型コロナ感染の第2波や活動再開の際の注意点、ワクチンの確保などについて答えた。

質疑応答で、中国や韓国で懸念が広がっている感染の第2波への見解や、経済などの活動を再開する国はどの程度気をつけるべきなのかをという質問が飛んだ。

葛西氏は「互いに繋がり合う世界のどこかでウイルスが広まっている限り、効果的なワクチンが開発されるまでは誰もに感染のリスクが残る」と指摘。

ロックダウンを解除しようとする国に対して「気を抜かずに居続ける必要がある」と警鐘を鳴らした。全ての国に向けては「このタイミングで、地域内での大規模な流行に備えることを推奨する」と促した。

続けて検査について「(感染拡大を防ぐための)公衆衛生による介入を目的で行うことが重要だ」と指摘。

中国や韓国が陽性者を追跡するメカニズムを構築していることに触れる一方で、検査結果やその数だけではなく「複合的な情報を用いて対策するべきだ」とも指摘。感染状況の把握や対策を講じる上で、陽性率やインフルエンザといった症状が似た病気と区別するための観察調査などを活用する必要性も訴えた。

ワクチンに関する質問では、世界的な感染拡大が食い止めるだけの大量のワクチンをどう確保するのかと問われた。

葛西氏はまず、「ワクチンは地球規模の公共物で、開発した地域だけではなく世界中の誰もがアクセスできるもの。等しく分配されるべきだ」と説明。

その上で、WHOが世界各国の協力機関とともに始めた、ワクチンなどの医療資源の確保や供給を促進する「Access to COVID-19 Tools (act) Accelerator」を紹介。「50カ国以上から計8億ドル近い資金支出が約束されている。これを実現させるかは私たち次第だ」と語った。