株の損失を取り返そうと、うまい投資話に手を出して詐欺に遭った中国の女性。詐欺師を騙し返し、全額を取り戻したニュースが話題になっている。
中国公安部の機関紙「人民公安報」や金融業界の専門誌「中国基金報」などによると、蘇州市の女性が原油先物の暴落で18万元(約270万円)を損失。焦った女性は4月28日、高い利潤を謳う投資のプラットフォームに連絡を取った。
プラットフォームの担当者を名乗る人物に、身分証や電話番号、勤務先などの個人情報を伝え、24万元(約360万円)を振り込んだ。
しかしその後、投資先の銀行口座が凍結され女性は現金を引き出せなくなった。詐欺被害に遭ったと気づき、すぐに警察に通報した。
女性は勤務先の社長に相談。プラットフォームの担当者に、「500万元(約7600万円)を追加で投資する」と嘘をついた。
社長から高級外車を借りると、車を運転して銀行に向かい、金を引き出そうとする様子を動画で撮影。動画を見た詐欺師は女性の追加投資の話を信じ、凍結していた口座を開いた。
女性は口座が開いている隙に、騙し取られた金を全て自分の銀行カードに入れ戻したという。
江蘇省の現地メディアのインタビューに応じた地元警察は、
「彼女の事例は、真似されるべきではない。ただ運が良かっただけだ。詐欺に遭わないように備えることが最前。リスクの高い投資話を簡単に信じてはいけない」と呼びかけている。
警察は同様の詐欺事案がないか、捜査中という。
ネット上では、今回の事案を報じた記事に18万件を超える「いいね」が付くなど拡散。「奇跡だ!」「そもそも高い利益率の投資話は警戒しないと・・・」といった反応が上がっている。