菅義偉官房長官は5月8日に開かれた記者会見で、マスクの供給の現状について「マスクを入手できる環境が整ってきている」などと回答した。
だが、安倍晋三首相が打ち出した布製マスクの全世帯への配布が東京都以外には出来ていない現状に、ネット上からは「アベノマスクを全国に届けてから言って?」などと批判や疑問の声も出ている。
菅官房長官は記者会見で、記者から「個人商店などの店先で使い捨てマスクが多数販売されているというのが見受けられます。使い捨てマスクの供給の状況はどのようになっているのでしょうか?」と質問された。
これについて菅官房長官は、以下のように回答した。
まず使い捨てマスクについては、国内での増産の取り組みや中国をはじめ海外からの輸入量の増加などにより、4月には少なくとも7億枚を超えるマスクが供給されたと考えています。さらに5月には、1億枚程度増加する見込みであります。
また最近では、従来の大手の小売店舗やメーカーによる供給ルートとは別に、中国から直接マスクを輸入し個人商店などで販売する向きも広がっているように思います。
(加えて)繰り返し利用することができる布製マスクも高齢者施設や介護施設、小中学校、さらには一般家庭への配布を進めていることや、ご家庭などでマスクを手作りする動きが進んでいることから、使い捨てマスクの需要が一定程度抑制されてきている面もあります。
こうした対応により、徐々に店頭でマスクを入手できる環境が整ってきていると考えていますが、マスクの品質や価格、売り惜しみや買占めなどを注視しつつ、国民のみなさんが安心して取得することができる状況を作っていきたい。
これに対し、ネット上では「アベノマスクを全国に届けてから言って?」「政府からのマスクが届かないから仕方なく手作りしてるんだけど」「アベノマスクが行き渡ってないことへの謝罪から伝えてほしい」「店頭で買えるのが先か、政府から届くのが先なのか、どちらだろうか」など、批判や疑問の声が上がっている。
安倍首相が打ち出したいわゆる“アベノマスク”をめぐっては、都道府県別の配布状況を厚生労働省が公表している。
それによると、大型連休が明けた5月7日の時点で、東京都以外の46の全ての道府県で「準備中」となっていて、ほとんどの国民に未だ届いていないことが分かった。