安倍晋三首相と京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授が5月6日、インターネット上の番組に出演し、視聴者から募集した質問に答えた。
視聴者からは、2021年夏に延期された東京オリンピックまでに、ワクチンが開発されるメドがあるのかという質問が寄せられた。
安倍首相は「開催する上で科学者のみなさんの力が大変今必要とされている」と説明。ワクチンや薬による治療法の確立の必要性を訴えた上で、アビガンやレムデシビルの早期承認を目指す考えを示した。
これに対して山中伸弥教授は、オリンピックの延期が2年後ではなく1年後だったことに触れ「これは研究者にすごい宿題を与えられた」と戸惑いを口にした。
「ワクチンや治療薬の開発が絶対条件」と強調し、「早いものでは海外で治験が始まっている」と説明。その上で実現の難しさにも触れた。
「世界中から選手や観客が来る。人が大移動してくる大会で、これを可能にするワクチンの量を準備できるかというと、幸運が重ならない限りワクチンだけでは難しい。幸運が重なればありえる」
一方で、ワクチンだけでなく既存薬のアビガンやレムデシビルなどの効果に期待を寄せて「インフルエンザと同じ怖さだと持っていけたら、全然違う」と述べた。
レムデシビルは7日にも承認される見込みだが、アビガンも同時に承認する「特例」を求め「首相にもうひと頑張りしていただけたら」とした。