憲法記念日に安倍晋三首相がビデオメッセージ、何を語った? 緊急事態条項「国会で議論を」

安倍晋三首相は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で緊急事態宣言による外出自粛や休業の要請が続いている状況に触れ、緊急事態条項について「国会の憲法審査会で議論を進めるべきだ」と訴えた。
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安倍晋三首相(2020年5月1日、首相官邸)
時事通信社

憲法記念日に行われた民間団体のオンライン集会「憲法フォーラム」で、安倍晋三首相がビデオメッセージを寄せた。

安倍首相は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、緊急事態宣言による外出自粛や休業の要請が続いている状況に触れ、緊急事態条項について「国会の憲法審査会で議論を進めるべきだ」と訴えた。

「今回のような未曾有の危機を経験した今、緊急事態において国民の命や安全を何としても守るため、国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか。そして、そのことを憲法にどのように位置付けるかについては極めて重く、大切な課題であると、私自身改めて認識した」

また、憲法9条についても「自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けることが必要」だと呼びかけた。

 

憲法改正「必ず成し遂げる」

安倍首相は2017年の憲法記念日に開かれた「憲法フォーラム」で、2020年の改正憲法施行を提起していた。

今回の憲法フォーラムでは、「参院選において我々自民党は国民の皆様から憲法改正の議論を前に進めよと力強い支持をいただき、また各種の世論調査でも『議論を行うべき』という回答が多数を占めてきている」として、「たやすい道ではないが、必ず成し遂げる。その決意に揺らぎは全くありません」と強調した。

 

各社の世論調査では?

緊急事態条項をめぐっては、産経新聞社とFNNの合同世論調査(4月11・12日)では、憲法改正による「緊急事態条項」新設に65・8%が賛成。一方、毎日新聞の全国世論調査(4月18・19日)では「賛成」は45%にとどまった。 

朝日新聞の世論調査では、「いまの憲法を変えずに対応すればよい」が57%と最も高く、「憲法を改正して対応するべきだ」(31%)を上回っている。

また、安倍首相の在任中に憲法改正を行うことについては、毎日新聞の世論調査では「反対」が46%、朝日新聞の世論調査では「反対」が58%に上った。