政府の専門家会議の尾身茂・副座長は5月1日の記者会見で、新型コロナウイルスの収束に向けては、今後新規感染者がより減少した場合には、厳格な行動変容を一部解除しつつも感染拡大に備える「新しい生活様式」に移行するとの見方を示した。
尾身副座長は、新型コロナ対策について「確定ではありませんが、早期診断から重症化予防まで、明るい兆しが見えつつある」と評価。抗原を用いた診断キットなどの実用化に向けた動きなどが進んでいることを挙げた。
そのうえで「持続的な対策が必要だ」とし、自治体ごとの流行状況の変化によって対応も変わることを指摘。
「感染状況が厳しい時期」と「新規感染者が限定的になった時期」、そして一度下がった感染者数が再び上がる可能性があることを示した。それを踏まえて、今の東京は新規感染者数が下がりつつある状態にあるとした。
尾身副座長は「不自由な生活や仕事に耐え、オーバーシュートを避けて下方に向かっている。我々は心から感謝しています」とした一方で、「もう少し(新規感染者数を)下げて、“新しい生活様式”が皆でできればいいんじゃないかと思います」と話した。
そして尾身副座長は、一度感染者数が落ち着いても「もう一度小さな波が来ることは当然ありうる」と指摘。その場合、再び徹底した行動変容をとる必要があるとした。
また、徹底した行動変容を課すか、一部緩和するかの判断基準については、▽新規感染者数が一定の水準以下に抑えられていることや、▽医療提供体制が確保できていることなどを挙げた。