新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにロックダウン中のインド・ムンバイに突如、大量のフラミンゴが出現した。
この数週間の間に何千ものフラミンゴが、通常は多くの人が行き交うこの街に集まった。
ヒンデュスタン・タイムズ紙に掲載された写真には、そびえ立つアパートの前の湿地に溢れんばかりのピンクの鳥が写っている。
フラミンゴは通常、10月から3月までの採餌期・繁殖期にムンバイとその周辺地域にやってくる。しかし今年は、新型コロナの影響で人が減り、スペースが有り余っているからか、例年よりかなり多くの鳥が見られる、と住民は話す。
実際に鳥の個体数は増えており、CBSやその他メディアが報告しているボンベイ自然史協会による予測によると、2020年は約15万羽のフラミンゴがムンバイに集まった。これは、2019年に比べて25%増加となる。
ボンベイ自然史協会によると、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのインド全土でのロックダウンにより、工業廃棄物が減り家庭汚水が増えたことによって、フラミンゴが食するというプランクトンの形成が促進されたという。
「大量のフラミンゴの理由は、2年前に成功が記録された繁殖のおかげで、多くの若い鳥の群れが訪れているからです」とボンベイ自然史協会ディレクターのディーパック・アプテ氏はヒンデュスタン・タイムズ紙に話した。「さらに、ロックダウンにより鳥が安らかにねぐらにつくことができ、食料を得る邪魔もなく、全体的に良い生息地になっているのです」
インドのナレンドラ・モディ首相は3月、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を削減するために21日間に渡るロックダウンを発表した。3月25日に開始されたこの自宅待機命令は、13億人の住人に影響を与えるため、世界最大規模と考えられている。
先が見えないパンデミックの中、一部の住民はこのフラミンゴの出現を、予期しなかった特典と感じている。
「家に閉じこもりざるを得ない住民たちは、朝と夕方にバルコニーに出て、リラックスする鳥たちの写真やビデオを撮っています」とスニール・アガルワル氏はヒンデュスタン・タイムズ紙に話した。「ロックダウンによって人々は、今まで当たり前と捉えていた身近にあるものに集中するようになります。この場所が、近くフラミンゴの保護区域になる事を願っています」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。