東京都の小池百合子知事は4月24日の記者会見の中で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、現場で働く医療従事者の家族に対する差別的な扱いが起きていることについて「人権という感覚からすれば非常に恥ずべきこと」だと訴えた。
記者からの「感染者や医療従事者、その家族の方々が不当な扱いを受けたりとか、差別的な言葉を投げつけられたりという事例が出てきています。こうした人権問題に関してどう対応するのか。この先、感染が収束しても社会の分断みたいなものを生んでしまう可能性があると思います。寛容さが失われてきている現状について、知事のお考えは」という質問に答えた。
小池知事「尊敬以外のなにものでもない」
質問に対し知事は、「医療従事者のみなさんは自ら命を晒して、感染者の方々の治療やお世話にあたっておられる訳で、尊敬以外のなにものでもない」と応じた。
一方で、医療従事者の子どもが差別的な扱いを受けた事例などを把握しているとし、「非常にそれらについては悲しい。また人権という感覚からすれば非常に恥ずべきことだと考えております」と話した。
東京都では医療関係者に対する感謝の意を示すため、都内の施設を青くライトアップする取り組みなども行っており、「都民の皆さんには、ぜひ医療従事者こそコロナウイルスに社会が、東京が、打ち勝つための非常に重要な存在であるということを改めてお知りいただければと考えております」と呼びかけた。
また、治療を受けた人への接し方についても言及した。
「退院された方々についても、その後もずっと『感染者』というレッテル貼りをしないで、そして健康になったことをむしろみなさんで喜ぶぐらいの気持ちを持っていただければと思っております」