新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、広島県が休業や時間短縮の要請に応じた中小企業に支給する支援金を巡り、波紋が広がっている。政府が全国民に一律給付する10万円を県職員から任意で集め、支援金の原資の一部に充てると検討していることを、4月21日に広島県の湯崎英彦知事が明らかにしたためだ。県は財源不足を理由に挙げるが、SNSでは県の対応に非難の声が噴出している。
広島県によると、支援金の対象は緊急事態宣言の発令期間中(4月22日から5月6日)に、休業や営業時間の短縮といった県の要請に応じた中小企業や個人事業主。従業員の雇用を維持し、国の雇用調整助成金を利用することが条件で、10万〜50万円を支給する。
県職員が本来受け取る給付金を財源とする県の方針に、Twitterでは批判が噴き出している。「職員がもらえるお金の使い方を、知事が勝手に決めるのはおかしい」「寄付の強要は筋違い」「コロナが蔓延する中で日々頑張っている県職員の人たちがもらい、使う権利がある」などと、職員を擁護するコメントも相次いだ。
湯崎英彦知事は21日の記者会見で、「感染拡大を防止するために必要な事業を行う上で、圧倒的に財源が足りない。どう捻出するかといった時に、給付金の活用も含めて聖域なく検討していきたい」と発言。支援金の規模は100億円程に見込みという。
【UPDATE 2020/4/22 16:00 広島県の湯崎英彦知事は4月22日、「県職員から任意で集めた国の一律給付金を活用することを検討する」とした21日の発言について、事実上撤回した】