ソーシャルディスタンス「2メートル」を測れるAR定規を使ってみた。「意外と長い」と開発者もびっくり

iPhoneでアクセスするだけで、目の前に半径2メートルの円が現れたように感じられる。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「ソーシャルディスタンス」(他者との一定の距離)という言葉を耳にする機会が増えた。アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は感染拡大を防止するため、少なくとも2メートルは他者から距離を取ることが重要だとしている

しかし、2メートルが実際どのくらいなのか、ピンとこない人も多いのではないだろうか。そんな中、2メートルの距離を測るAR定規が話題になっている。

コンビニで使ってみると…

AR定規「Keep Distance Ruler」を作ったのは、クリエイティブ集団「PARTY」に所属するアートディレクター・映像作家の寺島圭佑さん。iPhoneに搭載されているAR機能を使っており、半径2メートルの定規が目の前にあるかのように表示できる。

例えば、コンビニで使ってみると… 

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コンビニでの2メートル

思った以上に2メートルは長い。広めの通路でもすれ違うのが難しいのはもちろん、レジに並ぶ時に「ちょっと間を開ける」くらいの感覚では2メートルには程遠いということも分かった。

公園で見てみても、ベンチとベンチの間は2メートルないようだ。

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公園のベンチも、2メートルは離れていないくらいだった

筆者がメジャーで測ってみると、中心から一番外の線まではおよそ2メートルとほぼ正確だった。

実際どのくらい?を可視化

寺島さんがAR定規を作ったきっかけは、日本よりも感染拡大が深刻な海外の報道で「ソーシャルディスタンスを取ろう」という報道を目にしたことだった。

「2メートルって実際どのくらいだろう?と思って測ってみたら、意外と長くて衝撃でした」

新型コロナウイルスをめぐっては、企業がロゴを離すアレンジを加えて公開しソーシャルディスタンスを取ろうと呼び掛けたり、ファッションブランドがマスクの生産に乗り出したりと、普段の企業活動の枠を超えた取り組みが報道されている。

そうした動きを見て、自分にもできることはないかと考えていたという寺島さん。 日本でもソーシャルディスタンスを取るよう呼び掛けられるようになる中、「2メートルがこんなに広いんだと知ってもらえたら」とAR定規を作った。

4月7日にダウンロード版の提供を開始。Twitterで呼びかけると、動画が4月14日までに8万回以上再生されるなど反響が大きかったためweb版も作った。iPhoneX以上を推奨しているが、iPhone8で利用できる人もいたという。現在のところAndroidには対応していない。

利用した人からは「半径2メートルってこんなに広いのかと驚いた」などの声が届いているという。

寺島さんは「各国の状況を見ていると、長い戦いになりそうだなと感じています。多くの方が辛い思いをされている中で『楽しく』という表現はふさわしくないかもしれませんが、厳しいことだけを言っていても続かない面もあります。少しでも分かりやすく、楽しみながらソーシャルディスタンスについて考え、続けられるきっかけになれば嬉しいです」と話している。