人気を呼んでいる「どうぶつの森」シリーズ最新作の「あつまれ どうぶつの森」が、中国で突如「買えなくなった」と話題を呼んでいる。
現地の主要な通販サイトから“消失”し、現地メディアなどは「政治的な問題ではないか」とする記事を掲載するなど憶測を呼んでいる。
■日本や海外で大ヒット
「あつまれ どうぶつの森」は2020年3月に発売されたニンテンドースイッチのゲーム。無人島を舞台に動物たちとスローライフを送るもので、日本では累計販売本数がファミ通の発表で300万本を超えるなど大ヒットを記録している。
人気は海外にもとどろいている。このゲームは、中国でも通販サイトなどでゲットする人が相次ぎ、現地のSNSでは中国語のタイトル「動物森友会(“動森”と略すことも)」がたびたびトレンド入りを果たしている。
■現地メディアが報じる
このゲームが買えなくなったという情報が広まったのは4月10日。中国メディア「AI財経社」は「どうぶつの森が通販サイトから取り下げられた」とする記事を掲載。中国で使われる主要な通販サイトで買えなくなったと報じた。
筆者も「タオバオ」「天猫」「京東」などで検索してみたが、関連グッズやゲーム内アイテムの販売はあるものの、ゲームそのものは見つからない。
「ゲームカード」「データ版」などを加えて検索すると「ヒットしませんでした」という表示が出された。
なぜこのようになったか、理由は分かっていない。
一方で、「AI財経社」は「ユーザーのマイデザイン機能に問題があるとみられる」と指摘。このゲームでは自作したデザインをパネルなどに変えて、キャラクターの暮らす無人島に飾ることができる。この機能を利用して、政治的な行為をした可能性があるというのだ。
この日も中国のSNS・ウェイボーでは「動森」がトレンド入り。通販サイトから消えた理由について「一体何が起きたんだ」「誰かが政治的なメッセージを投稿したらしい」などと憶測を呼んでいる。
また、香港の民主活動家・ジョシュア・ウォン氏は、ツイッターでこのニュースに触れ、ゲーム内で香港政府や中国共産党に抗議する「マイデザイン」を利用したことを明かし「多分私がこのゲームをプレイしたからだね」と話している。
任天堂の広報担当者は、ハフポスト日本版の取材に対し、中国での販売・宣伝は代理店契約を結んでいるテンセント社が担当していると説明。「任天堂としてはコメントできる状況にない」と話している。