新型コロナウイルスは、私たちの世界を一変させた。
人々は混乱し、不安に駆られ、時に打ちひしがれてしまう。
パンデミックの渦中で、現状に無力さを感じ、塞ぎ込んでしまうのは正常なことだ。人間は、自らの生活をコントロールできると考えたいもの。それができない時、私たちは不安に感じてしまう。
「今のように、私たちの生活における重要な面でのコントロールを失うと、他の何かにその力を発揮したい、と感じるものです」ライス大学のビジネススクールでマーケティングの教授をしているウトパル・ドラキア氏は話す。「そうすることで、無力さが緩和するのです」
今変えられないことを嘆くのは簡単だが、あなたのコミュニティのためにできる小さなことに集中してみるのはどうだろう?
以下、新型コロナウイルスの感染拡大で塞ぎ込んでいる時にできる、7つの小さなアクションを紹介しよう。
1. 外出を自粛し家にいよう
それぞれの自治体に従い、要請が出ている場合はすでに外出自粛をしていることを願うが、「なぜ」家にいる必要があるのかを理解すると、視野も変わってくる。
「大きな影響を生み出す最も小さなアクションは、家にいることです」臨床心理学者のアーティ・グプタ氏は話す。「自宅待機は孤独に感じますが、これを『社会連帯』と見て、みんなが同様の犠牲を払っていると考えましょう」
また、頻繁な手洗い、顔を触らない、公共交通を避ける、また栄養があり免疫を高める食事を取ることも大事だ。
そして、自分だけでなく、周りの人にも外出自粛を呼びかけよう。もし周りの大切な人の中で、適切な自粛要請に従わない人がいたら、難しいけれど、懸念を伝えよう。必要であれば、新型コロナウイルスや感染の状況における事実を伝えられるよう準備をしておこう。
「未だにソーシャルディスタンス(感染を避けるために人との距離を置くこと)をしていない家族や友達がいたら、なぜ外出自粛などの措置が、感染拡大のスピードを遅らせるのに重要なのかの理解を助けましょう。感染リスクを削減する行動を示し、模範となりましょう」と、カリフォルニア大学アーバイン校の看護学助教授であるアリソン・ホルマン氏は話す。
2. 買いだめの誘惑に抗おう
予想不可能の局面にあるなか、食料品やトイレットペーパー、その他の日用品の買いだめに走るのは理解できることだ。しかし買いだめは、高齢者や貧困者などの社会的弱者が必要なものを入手する妨げになってしまう。また、空っぽの棚は、さらなる買いだめに火をつけてしまう。
「買いだめは、混乱した生活の中でコントロールを得ようとする行為の1つです。しかし、無計画に行うと無駄や金銭的損失にもつながり、後から罪悪感に陥りかねません」とドラキア氏は話す。
スーパーであれネットショッピングであれ、一度にこの先2週間に必要なもの以上を買わないことが、考慮ある行動になるという。
「買いだめを控えることによって、地域やお店、そのサプライチェーンに、現状に対応する余裕を与えることができます」
3. 感染拡大により大きな影響を受けた地域のビジネスを支援しよう
可能な限り、近所の店やサービスを利用しよう。レストランでテイクアウトをオーダーしたり、商品券を買って、お店が営業を再開した時に使うこともできる。
「今こそ、こういった店やスタッフ、配達員を支援する時です」とドラキア氏は話す。
もし金銭的に余裕がなければ、お気に入りの店のオンラインレビューを書くだけでも意味があるだろう。
4. フードバンクに寄付しよう
学校の休校に伴い給食を食べられなくなった子どもなどがおり、フードバンクは寄付を募っている。
「もしお金に余裕があれば、近くのフードバンクなどに寄付をするのもいいでしょう」とグプタ氏は話す。
5. 第一線で働く人々にメッセージを送ろう
医師や看護師、スーパーの従業員やゴミ収集員、薬剤師や配達員など、今でも多くの人が自らをリスクに晒しながらも他の人たちの為に働き続けている。彼らに感謝している気持ちを届けよう。
「メールや手紙などで、感謝していることを伝えましょう。ちょっとしたことでも、誰かの気持ちに大きな変化を生むことができるのです」と臨床心理士のテリース・マスカルド氏は話す。
また、観光業界やエンターテイメント業界など、このパンデミックによって大打撃を受けている業界にも、同様の気遣いを示すといいという。
6. 裁縫ができるなら、マスクを作って寄付しよう
医療従事者や、他にも今働くことが必要な業務に就く人々は、マスクのような防護品を緊急に必要としている。もし裁縫ができるならば、マスクを縫って寄付しよう。
裁縫を始める前に、近くの病院や団体がマスクの寄付を受け付けているか確認しよう。もし受け付けている場合は、現場で使用するマスクに規定や条件があるか事前に確認し、それに合うように作成しよう。
7. 疎遠になっている人たちに連絡しよう
外出自粛などで、もしいつもより時間を持て余しているのならば、疎遠になっていて連絡をとろうと思っていた家族や友達に連絡しよう。
「調子はどう?と電話するのもいいですし、どれだけその人があなたに良い影響を与えてくれたかを伝える機会にしてもいいでしょう。すると、会話を終える頃には、お互いがもっとポジティブで、前よりも前向きな気持ちになっているはずです。それが、あなたを大事にしてくれている人と繋がることによる魔法なのです」とマスカルド氏は話す。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。