新型コロナウイルスで「面会禁止」の病院や老人ホームではどう対応している?

面会ができないことで、混乱していたり、悲しんでいる方も多いかもしれません。どのような対応が行われているのか、いくつかご紹介します。
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Morsa Images via Getty Images

新型コロナの影響で、病院や老人ホームは面会禁止になっている所が多いと思います。アメリカでも同じ状況です。

そのことで、特に認知症の人たちの中には、混乱していたり、悲しんでいる方も多いかもしれません。介護現場で働いている方、家族で面会に行けない方、どのように対応していますか?

Facebookでこの質問をしたところ、いくつかコメントが届きました。最初は奥さんが入院している方からのコメントです。

妻が入院している病院は、当然ですが、面会禁止。ひと月会っていませんでした。洗濯物を届けに週1回行くのですが、昨日、病棟入り口を入らずに、妻の顔を見ることができました。看護師さんが車いすを押して入口まで妻を連れてきてくれたのです。ほんの短時間ですが、表情を見れば、妻の状態がわかります。看護師さんの配慮に感謝しています。

家族にひと月会えないというのは長いですよね。不安も募ると思います。でも、「顔を見るだけで安心する」ということがありますね。このような些細な配慮によって、家族は安心できると思います。

次は、北海道で活動する音楽療法士さんからのコメントです。

私の職場は、2月中旬よりご家族の面会をご遠慮いただいております。他科受診も控えていただいているためほとんどの方がご家族と会えていない状態です。洗濯物や身の回り品を一階の事務所で受け渡していただく方式をとっています。ですが今のところ、面会禁止になったことで大きく混乱し、BPSD症状が現れる方は比較的少ないです。

ご家族とお手紙でのやりとりや電話でのやりとりをされている方がいらっしゃいますがかなり少ない印象です。職員の説明に理解を示してくださる方も多いので都度説明をしています。

スタッフはいつも以上に認知症の方の心理状態に気を配っています。ですが心理状態が不安定な様子が少しでも見られた際には早急に個別の音楽療法を導入しています。今までより、サインが出てから導入に至るスパンが短くなっています。

外部の方がいらっしゃっての活動はなくなっていますが、ユニットごとやデイケアでの集団の音楽療法は、リスク軽減を徹底し続けていますし、ユニット内でのレク、集団リハなども継続していますので日常の変化が少ないのも比較的落ち着いている理由の一つかもしれません。

北海道は感染者数が多いこともあり、現場で働いている方は大変だと思います。心理状態が不安定な人に音楽療法を導入している、というのは素晴らしいことですね。また、ルーティーン(決まった手順)を崩さず、なるべく変化を少なくする工夫は大切だと思います。パンデミックの中で働くのはかなりのストレスがあるでしょうが、彼女の存在や音楽療法に支えられている人は多いことでしょう。

最後に、介護保険老人保健施設にお勤めの方から。

私の勤めている介護老人保健施設では、私が提案して、テレビ電話による面会を始めました。セキュリティの関係で、外部からの接続は許可しておりませんが、予約の上でご家族に施設の受付まで来ていただけば使っていただけます。画像越しですが、出来ないよりもマシな感じです。

アメリカの病院でもテレビ電話による面会が行われています。様々なテクノロジーを利用して、クリエイティブな解決法を見出すのは素晴らしいことですね。

今、新型コロナの影響でストレスが溜まっている方も多いと思います。どのように日々を乗り越えていますか? 困っていること、支えになっていること、心がけていることなどありましたらコメントをお寄せください。

 

(この記事は佐藤由美子さんのブログ YUMIKO SATO 『新型コロナで「面会禁止」の病院や老人ホーム、どう対応する? 』より転載しました。)