6500人入場K-1、さいたまスーパーアリーナで開催。これまでの経緯は?【新型コロナ】

県や国から複数回自粛要請を受けていたが、主催者側は対策した上での開催を決めた。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて多くのイベントが中止・延期される中、格闘技イベント「K-1 WORLD GP」が3月22日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開かれた。主催者側の発表で6500人が入場したという。経緯をまとめた。

・会場を所有する埼玉県が複数回自粛を促す

会場は県が出資する第三セクターが運営。県は「会場で歓声が上がり、飛まつ感染のおそれが大きい」として自粛を求めていた。

・西村康稔経済再生担当相が県を通して自粛を求める(3月21日)

・主催者側は、対策を取った上で開催(3月22日)

マスクの配布や消毒液の配置、入り口の開放による換気、入場時の検温、席数の削減などで対応。

感染者が出た際に入場者を追跡できるよう、チケットの半券に住所や電話番号などの記載を求めた。

・埼玉県知事も現地を訪問、記者会見

大野元裕知事は対策の実施を確認するためイベント開催当日に現地を訪問。その後記者会見し、「強制的に中止させる権限はないが、こういう形でイベントが開催されたのは残念だ」と述べた

専門家会議は「慎重な対応を」

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首相官邸ウェブサイトより

専門家会議は3月19日に発表した提言で、大規模イベントの開催に関して「慎重な対応が求められる」と延期や中止も視野に入れた対応を求めている。

また、最も感染拡大のリスクを高める環境として、「①換気の悪い密閉空間②人が密集している③近距離での会話や発声が行われる」の条件が重なることを避けるよう呼びかけている。

6500人もの人が室内に集まるイベントを開催したことに対し、ネット上では「小中学校、高校を休校にした意味がない」「無観客で良かったのでは」「会場までの路線を使っているので恐怖」など批判の声が上がっている。

しかし一方で、自粛することによって主催者側には深刻な経済的ダメージがあると理解を示す人も。「自粛を求めるだけでなく政府による補償が必要」「禁止とせず、責任を回避しながら自粛を求める政府のやり方に疑問」といった声も出ている。