ネットオークションサイトの「ヤフオク!」は3月16日、全面的に禁止となっている衛生マスクの出品について、ホチキスの針などに偽装して出品するケースが確認されたことを明らかにしたうえで、こうした行為を見つけた場合は、サイト側に知らせるよう利用者に呼びかけた。
出品禁止措置が取られた後も、「抜け道」行為が横行
「ヤフオク!」では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で品薄状態となっているマスクについて、政府の「国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令」が3月10日に閣議決定されたことを受け、翌11日から出品禁止となっている。
しかし、出品が禁止されて以降も、マスクではない商品をマスクと偽って不正に取引する、いわゆる「抜け道」行為が確認されているという。
ヤフオク!側は16日、こうした行為について「商品名や商品説明にマスクと明記しない出品も、実態としてマスクの取引と思われる出品はガイドライン違反です」と説明。
「実際にマスクの取引が確認された場合、出品者は法令に違反となる可能性がございます」とした。
政府が新たに一部を改正した政令では、消費者がドラッグストアなどの店舗、インターネット上のサイトなどを通じてマスクを販売する小売業者などから購入した衛生マスクを、その購入価格を上回る価格で販売した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されるという。
ヤフオク!側は利用者に対して、不正行為と思われる出品を見かけた場合、専用ページから「違反申告」に協力をするよう呼びかけている。
内容を確認した上で違反行為と認められれば、出品削除や出品者への確認を行うとしている。
ラクマやメルカリなど「フリマアプリ」上でもマスクの出品は禁止行為に
マスクの出品をめぐっては、ネットオークションだけでなく「フリマアプリ」上でも禁止行為となっている。
フリマアプリ「ラクマ」は3月12日午後3時から、出品を禁止とした。購入価格以下での出品やハンドメイド商品も合わせて禁じている。
出品が確認された場合は、商品ページの削除やアカウント制限などの措置を行うという。
一方、「メルカリ」も13日から出品を禁止に。利用者と出品者に対し「衛生マスク(個人が自作したものを含む)」「衛生マスクとその他の商品を抱き合わせた出品」を一律禁止し、削除対象とさせていただくことにいたしました」と公式サイトで説明した。