「Why me?」
サッカーのイングランド・プレミアリーグでリバプールを率いるユルゲン・クロップ監督が、新型コロナウイルスによる肺炎に関する記者の質問に対し冷静に答えた。やり取りをイギリスのテレビ局「Channel 4」などが報じ、対応に賞賛が相次いでいる。
3月3日(現地時間)、FAカップ(国内杯)のチェルシー戦後にクロップ監督が臨んだ記者会見。1人の記者が新型コロナウイルス感染拡大の影響について意見を求めた。
するとクロップ監督は「なぜサッカーの監督の意見が重要だと思うのか分からない」「有名人が何を言っているのかというのは重要じゃない」と繰り返し、自身のように知識がない人ではなく、専門家が発言すべき話題だと指摘。
「政治やコロナウイルス。なぜ私に聞く?私は野球帽をかぶって、ヒゲもきちんと剃っていない」と疑問を呈した。
さらに「もちろん心配はしている」「この星に住む1人として、世界が安全で健康であってほしいし、全ての人がよい状態であることを願っている」とした上で、「新型コロナウイルスに関する私の意見は重要じゃない」と強調。
チームなどの活動に関する判断についても「(知識のない)私は決断を下さない」と話した。
感染拡大は世界中のサッカーも含めたイベントに多くの影響をもたらしている。様々な情報が出回る中での一歩引いた発言に対し、「自身の影響力を前提とした考え方が素晴らしい」「己が知らないということを知っている」などという声が上がっている。