国中の女性がストライキを起こした日。1975年、アイスランドの「女性の休日」【画像集】

アイスランドの歴史に残る、女性たちの運動。
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1975年10月24日、アイスランドの9割の女性が参加したという「女性の休日」ストライキ
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最もジェンダー平等が進んでいる国の一つといわれるアイスランド。

世界経済フォーラムによる各国における男女格差を測る「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」でアイスランドは2019年時点で、11年連続1位になっている。日本はG7最低となる121位だった

アイスランドでジェンダー平等の意識はどのように育まれたのだろうか。その背景には1975年の「女性の休日」と呼ばれる大規模ストライキがあった。

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首都レイキャビク中心部の広場ライキャルトルグはストライキ参加者で埋め尽くされた
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1975年10月24日、男女の給与格差や性別の役割分担に抗議し、アイスランドで国中の女性がストライキを起こした。仕事や家事をやめた女性たちは、街に出て集会などを開催。国の女性の約9割が参加したといわれている

当時の出来事を朝日新聞は「女性ゼネスト アイスランドは完全マヒ」の見出しで報じた。これはロイター通信が配信したもので、「男性たちは最初、スト突入の警告を全くの冗談と受け取っていたが、本当とわかってビックリ。女性がいないと1日も国がもたないことがわかったようだ」と書いている。

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「平等闘争=階級闘争」と書かれたサイン
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2020年にアイスランドのエーリン・フリーゲンリング駐日大使(当時)はハフポスト日本版のインタビューでこう語った

「SNSもない時代ですが、女性の労働者団体が呼びかけ、メディアや草の根の口コミを通じて広く伝えられました。結果的にほとんどの女性がストライキに参加し、高齢女性も夫に『今日はあなたにコーヒーは淹れません』と宣言して町へ出たほどです。この日をきっかけに男性たちは、女性なしでは社会が回らないことを突きつけられました」

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この日をきっかけに、アイスランドでは女性の政治参画が発展。1980年にはヴィグディス・フィンボガドゥティル氏がアイスランドだけでなく、世界で初めて民主的な選挙で女性大統領となった。

現在のアイスランドのジェンダー平等への取り組みは様々な分野におよぶ。公共の委員会や上場企業の取締役会にはジェンダークオータ制があり、男性の3ヶ月の育児休業の取得を法律で定めている

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1980年、アイスランドだけでなく世界で初めて民主的な選挙で女性大統領となったヴィグディス・フィンボガドッティル氏
Bettmann via Getty Images

かつてアイスランドでも「育児や家事労働は女性が担うもの」といった男性優位な風土があったとフリーゲンリング氏。当時高校生で、自身もストライキに参加したフリーゲンリング氏は振り返る。

「今でも忘れられない一日です。町を行進しながら、参加者どうしの連帯感がとても心強く、空を飛んでいるかのような気分でした。『私たちは変化を求めている』という思いを共有する、熱狂的なシスターフッドでした」