国際オリンピック委員会(IOC)で1978年から委員を務めるディック・パウンド氏が、今後新型コロナウイルスの感染が収束せず東京オリンピックの開催が危険すぎると判断された場合、延期や代替地開催ではなく中止になるだろうとの見解を示した。AP通信が2月25日に報じた。また、その判断は5月末までに行われるとしている。
IOCの公式サイトによると、パウンド氏はカナダの元水泳選手で、弁護士。世界反ドーピング機関(WADA)の委員長も務めた経験がある。
パウンド氏は、開催時期を数ヶ月ずらした場合、アメリカのプロフットボールやヨーロッパのサッカーなど、放映スケジュールが詰まっている北米の放送局が納得しないと指摘。1年の延期も資金的に厳しいだろうと否定的で、期間の開催までの期間の短さから開催地変更も難しいとした。
そのため5月末の段階で、新型コロナウイルスの感染状況によって、開催可否を判断することになるとしている。
ただ一方で「まだ今の兆候から見ると平常通りになる」と現時点では開催される見込みであることにも触れ、アスリートたちに「スポーツに集中して」と呼びかけている。
今後の方針については、「世界保健機関(WHO)との協議に委ねられている」と繰り返したという。
東京オリンピック・パラリンピックへの新型コロナウイルスの感染拡大の影響は世界的にも懸念されており、ロンドン市長選への立候補予定者ショーン・ベイリー氏が2月、ツイッターで「我々にはインフラと経験がある」と開催への意欲を示した。