日本の不況は「ほぼ避けられない」 新型コロナウイルスの影響を各国メディアが報じる

国内メーカーの中国工場の閉鎖や中国人観光客の大幅減少などを元に分析。「アベノミクスだけでは不十分だ」の指摘も。
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マスク姿で浅草を歩く外国人観光客
時事通信社

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が日本経済にもたらす深刻な影響は避けられないと、各国の主要メディアが報じている。

内閣府は2月17日、2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値を発表。年率に換算すると実質でマイナス6.3%と5四半期ぶりにマイナスに転じ、マイナス幅は2014年4~6月期(7.4%減)以来の大きさだった。各国メディアは、今回のマイナス成長の要因を消費税引き上げや台風19号の影響と分析した上で、今後も新型コロナウイルス感染症で日本経済が不況に陥る可能性があると指摘している。

「不況はほぼ避けられない」(CNN)

CNNは、新型コロナウイルス感染症の流行が「2020年1〜3月期の回復への望みを打ち消す恐れがある」と報道。オランダ金融大手INGのアジア太平洋地域チーフエコノミスト、ロバート・カーネル氏による「不況はもはや避けられそうにない」との分析を紹介した。

さらに、2019年の日本への外国人観光客は中国からが810万人と国別でもっとも多かったことから、観光業への打撃も避けられないと予測。自動車メーカーの中国工場閉鎖、部品不足での生産調整など、製造業への影響にも触れた。

「アベノミクスだけでは不十分だ」(フィナンシャルタイムズ)

フィナンシャルタイムズは、「日本に不足しているのは消費だ」として2014年と2019年の消費増税を批判。

さらに「コロナウイルスの発生により、日本の経済的な背景は暗くなっている」と分析し、安倍晋三首相が取るべきはより多くの財政刺激策で「アベノミクスだけでは不十分だ」と指摘した。

「世界3位の経済大国が不況に陥る可能性」(BBC) 

BBCも2019年10〜12月期の日本のGDPが急減したことについて『日本経済は2014年以来最速で縮小』と題した記事で報じ、新型コロナウイルス感染症の流行で「世界3位の経済大国が不況に陥る可能性がある」と指摘。投資家は中国工場の閉鎖や中国人観光客の大幅減少を受けて、日本経済が回復するかを注視していると伝えた。