2020年は、4年に1度のアメリカ大統領選挙の年である。
誰が有力な候補なのか?どんな政策を掲げているのか?候補者選びの山場であるスーパーチューズデー(2020年は3月3日)を前に振り返ってみよう。
民主党候補者リスト
共和党では現大統領を務めるトランプ氏が広く支持されており、他に数人の挑戦者がいたものの、現時点ではあと1人となり、党内の候補となるのはほぼ間違いないとみられている。
一方、そのトランプ氏と対抗する民主党には、多くの多様性に富んだ候補者たちが名乗りをあげ、スーパーチューズデーを前にした現段階では8人が残っている。
アイオワ州とニューハンプシャー州での予備選を終えた時点では、ブティジェッジ氏とサンダース氏が他をリードしている。WSJ紙が2月中旬に行った世論調査では、サンダース氏が人気ナンバー1だ。
(2020年2月21日現在。随時Update予定)
1. ピート・ブティジェッジ(38歳)
候補者選びの初戦、アイオワ州の予備選で僅かな差で勝利を納めたのが、候補者中最年少、38才のブティジェッジ氏だ。元インディアナ州サウスベンド市長で敬けんなクリスチャン、そして同性愛を公言している。8カ国語を操り、ハーバードとオックスフォード大学で学び、海軍予備兵としてアフガニスタンに従軍した経験も持つ。
政策では、LGBTQの権利の保護、気候変動への対策、生殖に関する女性の権利、兵役経験者のメンタルヘルスに焦点を当てている。
2. バーニー・サンダース(78歳)
アイオワ州に続く2戦目、ニューハンプシャー州で勝利したのが、上院議員のサンダース氏。2016年の民主党候補者選びでは、ヒラリー・クリントン氏との接戦で惜しくも敗れた。リベラル主義で知られている。
政策では、全国民への医療保険制度、時給15ドル(約1600円の最低賃金などを挙げており、大学の無料化や処方箋の低価格化、気候変動への対策などを支持している。
3. エリザベス・ウォーレン(70歳)
現在も候補者として戦っている3人の女性のうちの1人、ウォーレン上院議員。2013年に政界に入る前は、法律学教授としてハーバード大学などで教えていた。
政策では、アマゾンやグーグルなど巨大IT企業の解体、オピオイド依存への危機対策へ1000億ドル(約11兆円)の投資、公立大学の無料化などを挙げている。
4. エイミー・クロブシャー氏(59歳)
ミネソタ州選出の上院議員。2006年に政界に入るまでは、同州の検察官を務めていた。アルコール依存症の父のもとで育った経験を公言している。
政策では、ドラッグやアルコール依存症への対策に1000億ドルの投資や、パリ協定への再加入、高齢者向け医療保険制度の拡大などを挙げている。
5. ジョー・バイデン(78歳)
当初は民主党候補本命とされていた予想に反し、予備選で低迷しているのがバイデン氏だ。これまでに、上院議員として36年、オバマ大統領のもと、副大統領として8年の経験がある。
政策では、収入格差、医療保険制度の改革や、「人道的な移民政策」を挙げている。
6. マイケル・ブルームバーグ(78歳)
元ニューヨーク市長で、経済・金融関連情報の通信社大手ブルームバーグの創始者。巨大な資産を有するため、大統領選でも莫大な広告費でキャンペーンを展開している。
政策では、銃規制強化や、気候変動対策、生殖に関する女性の権利などを主張している。
7. トゥルシ・ギャバード(38歳)
アメリカ領サモア出身でヒンドゥー教徒の下院議員。以前はハワイ州議会議員を務めていた。ハワイ州兵としてイラクやクウェートにも派遣経験がある。
政策では、国民すべての医療保険制度、刑事司法制度の改革、環境保護を支持している。
8. トム・スタイヤー(62歳)
ヘッジファンドの経営などで富を成した実業家。民主党への最大の寄付者と報じられている。トランプ大統領に挑戦し、「自力で大成したビジネスマン」のイメージを建て直したいとThe Atlantic紙で語っている。
政策では、気候正義や民間企業規制などに力を注ぐ。
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11月の大統領選で、トランプ大統領と直接対決することになるのはどの候補者になるのだろうか?
3月3日のスーパーチューズデーは、彼ら候補者にとって、大きな山場。結果から目が離せなくなりそうだ。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しました。