生まれ持った氏名を変えたくないーー。
自分が「嫌」と思うことを、結婚する相手にも強制したくないーー。
そういった思いから、選択的夫婦別姓の実現を目指す市民が集まった「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」が2月14日、クラウドファンディングのプロジェクト「#自分の名前で生きる自由」を始めた。
地方議会から国にはたらきかけてもらおうと、各地で議員向けの勉強会を開き、地方議会で「選択的夫婦別姓導入を求める意見書」の採択を目指すためのものだ。
「結婚改姓するかしないかを、選択できる制度」
「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」は、東京都中野区議会に2018年に陳情をした「選択的夫婦別姓制度を推進する中野杉並の会」メンバーを中心に事務局を務め、SNS経由で集まった全国約160人のメンバーがいる市民グループだ。
グループが求めているのは、「結婚改姓するかしないかを、選択できる制度」だ。
どちらか片方が必ず改姓をしなければならない現在の「強制的夫婦同姓」に、「お互いに元の氏名のまま夫婦になる」という選択肢を加えることを実現したいと考えている。
グループでは、メンバーそれぞれが地元議会に働きかけ、各議会から法制化に向けた意見書を国に届ける活動に取り組んでいる。
メンバーたちは、地方議員だけでなく国会議員にも会いに行き、選択的夫婦別姓制度の実現への理解を求めてきた。
「当事者の声を伝える事で、議員さんの考えが変わって行くことを実感した」
「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」事務局長の井田奈穂さんは、クラウドファンディングを始めた理由をこう説明する。
活動の中で、「選択的夫婦別姓制度」に反対していた議員さんの考えが、当事者の声を知ることで、変わっていくことを実感しました。
選択的夫婦別姓制度を求めているのは、イデオロギーではなく、生活上の不便が理由だということを議員さんたちに知っていただきたいと思っています。
一方で、地域で一緒に活動する仲間がおらず、孤立無援状態にある当事者がいることも分かってきました。そういった方と一緒に活動し、地元での勉強会などを実現したいです。
期限は4月17日までで、支援額は3000円から。
集まった支援金は、各地での勉強会開催費用などに使用し、全ての都道府県で最低1件以上の意見書採択を目指していくという。
支援額により、活動報告を受け取れたり、勉強会の開催地を指定したりすることができるという。 .