日本漫画家協会と出版広報センターは2月4日、漫画家やクリエイターらが不利益を被る海賊版サイト対策のため、迅速かつ適切な著作権法改正を求める共同声明を発表した。
発表された声明は、「侵害コンテンツのダウンロード違法化」と「リーチサイト規制」の対策を盛り込んだ著作権法改正案を会期中の通常国会へ提出することを要求するもの。
また、クリエイターが被る不利益についても以下のように言及している。
今この瞬間にも深刻な海賊版被害は生じており、漫画家をはじめとしたクリエイターやコンテンツ産業全体に甚大なダメージが積み重なっている状況に変化はありません。
海賊版サイトが奪うのは、単に経済的利益のみならず、デビューから間もない若き才能、そして夢です。
このような長期にわたって影響する深刻な被害を防ぐためには何よりも、迅速かつ実効性を伴う対応が欠かせません。
「侵害コンテンツのダウンロード違法化」については、2019年11月から文化庁が一回目の検討会を開くなど、対策が急務となっている。
海賊版の被害をめぐっては、2019年9月、人気の漫画コンテンツを無断で掲載していた海賊版サイト「漫画村」を運営していたとみられる星野路実容疑者が、著作権法違反の疑いで逮捕された。
星野容疑者は、人気漫画「ワンピース」の866話分の画像ファイルなどを漫画村のサーバーに保存して誰でもダウンロードすることで閲覧できるようにし、著作権を侵害した疑いがあるという。
漫画村は2018年4月に閉鎖されたが、出版広報センターによれば、被害額は約3200億円に上るという。
漫画村が閉鎖された後も、似たような閲覧サイトが作られ、無断で公開されるケースが後を絶たず、依然として深刻な社会問題となっている。