日本のブランド「コムデギャルソン」のファッションショーで、アフリカ系の黒人に多く見られる髪型のように見えるウィッグを、白人モデルに身につけさせたことが「文化の盗用だとして批判を受けている」と、イギリスのガーディアン紙などが報じている。
文化の盗用とは?
多数派の民族などが、他の民族や社会の文化の要素を相手の尊厳に配慮せずに取り入れることは、近年、文化の盗用として批判されることが増えている。
2019年には、アメリカのタレント、キム・カーダシアンさんが立ち上げた矯正下着ブランド「KIMONO(キモノ)」が「文化の盗用ではないか」などと波紋を呼んだ。京都市が、名称の再考を求める文書を送付するなどの事態が起き、のちにブランド名は変更となった。
コムデギャルソンへの批判
BBCによると、コムデギャルソンは1月17日にパリで、男性服の秋冬コレクションのショーを開催。白人モデルが、細かく編み込みが入った髪型「コーンロウ」風のウィッグを着け、ランウェイを歩いたという。
このことが批判を受けている理由についてCNNは、「このウィッグはインターネット上で議論にさらされている。一部の人は、文化の盗用ではないかと指摘している」と解説している。
「後退してしまったように見えます」
ファッション業界を批評し、170万人のフォロワーがいるInstagramアカウント「ダイエットプラダ」は、「白人モデルにコーンロウのウィッグをつけさせた日本のアバンギャルドブランドは、後退してしまったように見えます」と批判的に伝えた。
CNNによると、このショーを担当したヘアアーティストはジュリアン・ディス氏。ディス氏は自身のInstagramで、「インスピレーションはエジプトの王子から受けました。誰かを傷つけたり、怒らせたりする意図はなかった」と説明した。