こちらのイベント「過ちを犯した人は笑ってはダメなのか。薬物事件で逮捕された高知東生さんと考えます」ですが、新型コロナウィルス感染拡大のため、来場者様および登壇者の健康と安全を最優先に考慮し、急遽、会場にお客様をお呼びしてのイベントは中止し、Twitterでのライブ配信に切り替えさせて頂くことになりました。
お申込みをして下さった方には、イベント中止の旨を直接メールにでご連絡させて頂きます。
この度は緊急事態とはいえ、せっかく貴重なお時間をイベントにあてて下さっていたのにも関わらず、このような結果となってしまったこと、誠に申し訳ございません。編集部一同、深くお詫び申し上げます。
沢尻エリカ被告の裁判や、2月には槇原敬之容疑者が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されました。出演作品や楽曲の自粛や復帰に対して賛否の声が上がり、議論を呼んでいます。そんな今、このテーマについて様々な視点から取り上げ、考える必要性を感じております。
そのため、今回イベントという形は難しいと判断しましたが、ライブ配信という方法でこの問題についてみなさまと考えたいと思っております。
ライブ配信では、予定通りゲストをお呼びしてトークを進める予定です。
ぜひご覧下さいませ。
ご視聴は以下のURLから。
https://twitter.com/i/broadcasts/1PlKQmlDvZyKE
改めて、この度は皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
芸能人が逮捕されると、大々的に報じられ、世間のバッシングにさらされます。
報道陣が殺到し、本人はカメラの前で謝罪を求められ、出演作品や音源は自粛に追い込まれる。
これまで何度も繰り返されてきた光景に、こんな疑問も浮かびます。
・謝罪や自粛は、誰のためだろう?
・過熱報道やバッシングは、世の中を良くしているの?
・「逮捕」は注目するけど、事件の背景や本人のその後にもっと目を向けなくていいの?
事件報道に携わってきたハフポスト日本版は、2月22日(土)13:00からイベントを開いて、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。ハフポストが昨年から、SNS時代の表現の難しさや可能性について、イベントや記事を通して考えている企画「 # 表現のこれから」の一環です。
過ちを犯した人は、笑ってはいけないのか
テーマは「過ちを犯した人は、笑ってはいけないのか」。
逮捕された芸能人は、険しい表情や悪い印象が強調されます。そうした「イメージ」が、バッシングや厳しさを助長しているのかもしれません。
そこで「私たちとは違う人」「犯罪者」というボーダーを一旦外してみる。背景や本人の姿や言葉に触れてみると、違った印象が見えてくるかもしれません。
ゲストには俳優の高知東生さんを迎えます。
2016年に覚せい剤を使用した罪などで有罪判決を受け、現在執行猶予中です。当時バッシングにさらされ、「外に出るのが怖くて引きこもり状態」に陥ってしまったといいます。
現在は回復への努力を続けながら、依存症の啓発のための活動をしています。
高知さんら当事者の座談会にハフポストが参加した時のこと。終始あたたかい雰囲気で、笑い声に溢れていました。高知さんは時折笑顔を見せながら、自分の過去を振り返っていました。
高知さんは「依存症は誰にとっても近くにある」と語っています。
過ちを犯した時、反省すれば笑顔で戻ってこられる。やり直しがきく社会はダメなのか。高知さんの経験や言葉を通じて、みなさんと一緒に考えていきます。
他人の「失敗」が消費されている
逮捕された芸能人がテレビ出演する時、インタビューは必ずと言っていいほど「緊迫」した様子で伝えられます。
高知東生さんも、カメラが回るときにスタッフから「笑わないでください」と注文を受けた、というエピソードを座談会で明かしました。
他人の失敗や過ちが「消費」されているとさえ、感じられます。それを象徴するシーンが、お台場・東京湾岸警察署からの芸能人の保釈です。
正面玄関に黒い上下に黒い靴で現れ、外で待ち構える大勢のメディアを前に深く頭をさげる。「質素な身なり」に「神妙な面持ち」で、カメラに向けて謝罪する。
芸能人の薬物事件が起きるたびによく目にする光景です。
「罪や過ちを犯した人たちが取るべき態度」として、私たちの中に刷り込まれてきました。高知東生さんも過去に謝罪した1人でした。
特に2019年は、芸能人の薬物事件が多く明るみとなり、過熱報道や社会のバッシング、自粛が起きました。
「逮捕」にばかり注目が集まり、依存症の実態や本人が罪や過ちとどう向き合っているのかまで、細かく報じられることは多くありません。
失敗や生きづらさと向き合うヒントに
私たちハフポストは、一連の事件について報じる際、背景や依存症の実態にも目を向けるよう心掛けてきました。
ピエール瀧さんの事件では、依存症の専門家への取材や、作品自粛の是非について出演作を手がけた映画監督にも話を聞きました。
薬物について報じる記事には、依存症に悩む人に向けて、相談窓口の情報も合わせて載せるよう編集部で話しました。
過熱報道やバッシングが解決策になるのか。本人が回復・復活する機会を奪ってしまっていいのか。もし自分が失敗したら...
ハフポストは、イベントを通じて問い直していきたいと思います。
ゲストには、高知さんの回復を支える「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さん、生きづらさをテーマに取材する作家・活動家の雨宮処凛さんも迎えます。
ピエール瀧さんは裁判で「仕事でストレスを感じていた」と薬物使用の経緯を語っていました。ストレスは私たち誰もが日常で感じています。それが、生きづらさが過ちにつながるかもしれない...。
依存症の実態や回復に必要なことに加えて、失敗が許されない不寛容な社会についても話を広げていきます。
ファシリテーターは、薬物問題などを取材するジャーナリストの石戸諭さん。
「逮捕された芸能人」や「薬物依存症」への社会のまなざしが、誰もに起こり得る失敗や、生きづらさと向き合うためのヒントになるかもしれません。
ぜひ、みなさまのご参加をお待ちしています。
2月22日(土)13:00から
◆イベント詳細
【タイトル】過ちを犯した人は笑ってはダメなのか
【日時】 2020年2月22日(土) 13:00-
【視聴方法】
Twitterライブ配信用URL:わかり次第、追記致します。
YouTubeライブ配信用URL:わかり次第、追記致します。【ゲスト】雨宮処凛さん(作家・活動家)・高知東生さん(俳優)・田中紀子さん(公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 代表)※五十音順
【ファシリテーター】石戸諭さん(記者 / ノンフィクションライター)
【主催】ハフポスト日本版
【お問い合わせ先】event@huffpost.jp
◆注意事項
・イベントの内容は後日ハフポスト日本版で記事になります。当日はカメラが入りますが、映りたくない場合は当日スタッフにお声掛けください。
・イベントにはワークショップが含まれます。あらかじめご了承ください。
・イベント中、一部写真撮影NGなセッションがございます。当日のスタッフの指示に従ってください。
◆登壇者プロフィール
▽高知東生さん
1964年高知県生まれ。1993年に芸能界デビューし、映画やドラマ、バラエティに多数出演する。2016年6月24日覚せい剤と大麻使用の容疑で逮捕。現在はフリーで活動しながら、依存症問題の啓発にも取り組んでいる。
▽雨宮処凛さん
1975年、北海道生まれ。 作家・活動家。 2000年、 自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。 06年からは格差、貧困問題に取り組み、『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)受賞。 著書に『「女子」という呪い』(集英社クリエイティブ)、『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』(大月書店)など多数。「反貧困ネットワーク」世話人、「週刊金曜日」編集委員。
▽田中紀子さん
公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 代表
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 研究生。祖父,父,夫がギャンブル依存症者という三代目ギャンブラーの妻であり自身もギャンブル依存症と買い物依存症から回復した経験を持つ。
全国各地で家族相談会やギャンブル依存問題の普及啓発のための講演を行っている。2018年12月にはバチカン市国で開催された依存症問題の国際会議に出席し,我が国のギャンブル依存症対策等の現状について報告をした。著書に「三代目ギャン妻(高文研)」「ギャンブル依存症(角川新書)」がある。
▽石戸諭さん
1984年東京都生まれ。2006年から毎日新聞、BuzzFeed Japan記者を経て2018年4月に独立。現在は雑誌、ウェブなどで執筆する。ニューズウィーク日本版特集「百田尚樹現象」などが話題になった。単著に『リスクと生きる、死者と生きる』。
この記事には違法薬物についての記載があります。
違法薬物の使用は犯罪である反面、薬物依存症という病気の可能性もあります。
医療機関や相談機関を利用することで回復可能な病気です。
現在依存症で悩む方には、警察以外での相談窓口も多く存在しています。