地質学上の時代名が「チバニアン」と命名されることが正式に決まった。ラテン語で「千葉時代」を意味する。
日本の研究チームの申請を受けた国際地質科学連合が1月17日、千葉県市原市にある約77万年前の地層を「国際標準模式地」に認定。これに伴い、約77万4000年前~12万9000年前の地質時代が「チバニアン」と正式に命名された。
地球の年代を表す「地質時代」に日本の地層が採用されるのは初めて。
チバニアンとはどんな地層なのか。地質年代に採用されるのはどれぐらいすごいのか。
何がスゴイの?
46億年の長い地球の歴史には、恐竜絶滅といった大きな変化がみられたところを境に、「ジュラ紀」や「白亜紀」などの時代区分がされている。これらの区分は地層と化石の研究から名づけられたもので、ジュラ紀はアンモナイトや爬虫類が栄え、大形恐竜や始祖鳥が出現した時代だが、この時代の地層が発達しているフランス〜スイスに広がる「ジュラ山脈」から名付けられた。同様に、白亜紀は、アンモナイト・恐竜などが大繁栄した時代で、イギリスとフランスの間のドーバー海峡地域のチョーク(白亜)を含む地層から命名された。
このような「ジュラ紀」や「白亜紀」などの固有の名称で呼ばれる地層が、特徴的に分布する地域を「模式地」(もしきち)と呼ぶ。77万年前の地層を研究する上でもっと優れた模式地として、千葉の地層が選ばれた形だ。
「チバニアン」の特徴は?
朝日新聞デジタルによると、今回登録されたのは、市原市田淵の養老川沿いにある「千葉セクション」と呼ばれる地層。地質学上「更新世」と呼ばれる時代の前期と中期の境目で、地球の磁場のN極とS極が最後に逆転した重要な節目とされる。