大容量のデータを無料で送付できるサービス「宅ふぁいる便」を運営していた大阪ガス子会社のオージス総研(大阪市)は、2020年3月末で同サービスを終了すると発表した。
不正アクセスと顧客情報の漏えいが原因。多くの人に利用されたサービスなだけに、終了のお知らせにはTwitterなどで悲しみの声も上がっている。
システム再構築の費用は「相当程度」
発表によると、不正アクセスと顧客情報の漏洩を受けて、被害状況の確認などとともにセキュリティ強化を行う検討を進めてきたが、システム再構築の費用が「相当程度」必要となり、サービス継続が難しくなったという。
サービスの一時停止後は「特設サイト」でパスワード確認や退会の申し込みなどを行っていたが、その特設サイトについても3月末で終了するという。「オフィス宅ふぁいる便」は引き続きサービスを継続する。
また、メールアドレスとログインパスワードが外部に漏洩していたとして、他のサービスで利用していた人への注意を呼びかけている。
「宅ふぁいる便」を利用されていたお客さまへのお願い
■「宅ふぁいる便」にご登録いただいたメールアドレスとログインパスワードが外部に漏洩しました。お客さまが「宅ふぁいる便」に登録されたものと同一のユーザーID(メールアドレス)、ログインパスワードを用いて他のウェブサービスをご利用されている場合には、漏洩情報を取得した第三者による当該ウェブサービスへの不正ログイン、いわゆる「なりすまし」によるアクセスが行われる恐れがあります。「宅ふぁいる便」に登録されたものと同一のユーザーID(メールアドレス)、ログインパスワードを用いて、他のウェブサービスをご利用されている場合には、誠にご面倒ではございますが、他のウェブサービスにて、速やかに、ログインパスワードを変更いただきますようお願いいたします。
■不審なメールにつきましては、閲覧および添付ファイルの開封を控えるなど、くれぐれもご注意いただきますようお願いいたします。
宅ふぁいる便を装うフィッシングを目的とした偽メールにご注意ください。
以下のようなことはオージス総研では実施しておりません。・宅ふぁいる便に会員登録された皆様の会員情報の提供
・パスワードの再発行
・口座番号の確認このようなメールが届いても、絶対に対応なさらないでください。
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2019年1月にサービスを一時停止していた
同社は2019年1月、サーバーが不正にアクセスされた疑いがあったとして、サービスを一時的に停止したと発表していた。
当時の発表によると、一部のサーバーで不正アクセスの可能性が確認されたため、1月23日午前10時50分ごろからサービスを停止。利用者に対して、「ご利用の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます」と謝罪していた。