日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が逃亡先のレバノンで開いた会見は、一部のメディアのみが参加できる招待制だった。
国内外の多数のメディアが現地に詰めかける中、日本メディアで出席が許されたのは、朝日新聞社、テレビ東京、小学館の週刊ポストなど合同取材班など数社。
現地入り大多数の日本メディアの記者らは、会場周辺で立ち往生する羽目になった。参加を認められなかった日本メディアが、ゴーン被告の対応に批判的な記事を報じている。
共同通信は、「ゴーン被告、日本記者の大半排除」という見出しの記事を掲載。地元記者のコメントを紹介する形で「ゴーン氏のPRの場にすぎない」「厳しい追及を避けた」と断じた。
時事通信は「『異論』を封じようとする姿勢が明らかだ」と強い論調で非難。「会見は自らの疑惑に答えるというよりも自己主張を展開するための場となった」と伝えた。 続けて「今後も自らの意志でメディアを選別し、正当性を訴える主張の発信を続けるとみられる」と皮肉った。
読売新聞は、出席を拒否された各国メディアの記者らが建物外で中継を視聴する様子を伝える記事を掲載。 その中で、ゴーン被告の弁護団の一人から「『ゴーン氏に攻撃的な記事を書いている』(ゴーン被告の弁護団の一人)として拒否された」と、参加できなかった理由を伝えた。
「なぜ日本メディア少ない?」 ゴーン被告の言い分は...
会見では、参加を許された小学館の記者が「なぜ日本メディアは少ないのか」と追及する場面があった。これに対して、ゴーン被告は「除外しているわけではない。たくさんのメディアがいる。客観性を持った記者に来て欲しいと考えていた」と応じた。
「偏った視点を持った人たちが正しい分析ができると思わない。だからと言って逃避している訳ではない」と釈明した。
BBCやCNNなどの著名なメディアを招待したことに触れて、「厳しい質問に応じる用意はある。会見場は限られたスペースで、そうした理由で日本のメディアが少ないという印象を受けたのかもしれない」と答えた。