ゴーン被告のレバノン逃亡、弁護団の高野隆氏が見解示す「(密出国を)全否定することはできない」

ゴーン被告の弁護団の1人、高野隆氏がゴーン被告の密出国についてのブログを更新。「裏切られたという思いである」と思いをつづる一方、自身の見解を示し、日本の司法制度への苦言を呈した。
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日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(フランス・モブージュ)2018年11月18日撮影
時事通信社

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告がレバノンに逃亡した問題で、前会長が起訴された事件の弁護団の1人である高野隆弁護士が1月4日、自身のブログを更新した。

ゴーン被告の密出国について、「裏切られたという思いである」と綴る一方、「全否定することはできない」として自身の見解を示し、日本の司法制度に対しての苦言も呈した。

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日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の保釈に向けて準備をする高野隆(中央)、河津博史(右)の両弁護士=2019年3月6日、東京都葛飾区の東京拘置所
時事通信社

高野隆弁護士は4日、『彼が見たもの』というタイトルで、東京拘置所に拘禁されていた際のゴーン被告とのやりとりを詳細に綴っている。

ゴーン被告の密出国については、2019年の12月31日の朝に知ったことを明かし、「まず激しい怒りの感情がこみ上げた。裏切られたという思いである」と綴る一方、「一つだけ言えるのは、彼がこの1年あまりの間に見てきた日本の司法とそれを取り巻く環境を考えると、この密出国を『暴挙』『裏切り』『犯罪』と言って全否定することはできない」として独自の見解を示した。

さらに、ゴーン被告は拘置所に身柄を拘束されていた当時、すぐに保釈金を納付しても釈放されなかったことや妻のキャロルさんとの接触を禁止されたことなどから日本の司法制度に大きな不安や疑問を感じ、高野弁護士に頻繁に質問していたという。

高野弁護士はブログの結びで、「(ゴーン被告の密出国は)寂しく残念な結論である。もっと違う結論があるべきである。確かに私は裏切られた。しかし、裏切ったのはカルロス・ゴーンではない」と綴り、日本の司法制度に対して苦言を呈した。

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東京拘置所から保釈された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(中央)=2019年3月6日、東京都葛飾区
時事通信社

一方、ゴーン被告の弁護団の1人の弘中惇一郎弁護士は4日、東京都内で報道陣の取材に応じた。

毎日新聞デジタルは、ゴーン被告が以前使っていた携帯電話の通話記録と、面会簿を東京地検に任意で提出する方針を固めたと報じた。

さらに、検察からゴーン被告が使っていた事務所のパソコンや弁護団が預かっている旅券の提出も求められていることを明かし、今後の検討するとしたほか、自身の辞任については「本人の意向を踏まえて決める」と話したという。

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カルロス・ゴーン被告の逃走を受けた弁護団会議を終え、報道陣の質問に答える弘中惇一郎弁護士=1月4日、東京都千代田区
時事通信社