マネックスグループは11月24日、東京大学大学院情報学環・学際情報学府の特任准教授がSNSで中国人に対する不適切な投稿をしたことを受けて、この特任准教授が担当する講座への寄付を停止すると発表した。
特任准教授が担当するAIに関する講座は、個人や企業からの寄付金を原資に開催する「寄付講座」。マネックスグループ社は講座を主催する東京大学院情報学環側に資金を寄付していた。
マネックスグループ社は声明で「人権の尊重は事業活動における重要課題」という立場を示した上で、「特任准教授の価値観は到底受け入れられるものではなく、書き込みの内容や現在の状況に関して極めて遺憾であります」と言及。講座への寄付を速やかに停止する方針を示した。
担当者はハフポスト日本版の取材に「弊社では多くの中国人の方を採用していますし、多様な人たちや価値観を大切にしています。特任准教授の発信は、弊社の人権方針とはそぐわないものです」と話している。
一連の問題で、特任准教授は、自身が携わる会社で「中国人は採用しません」「中国人って時点で書類で落とす」などとツイートして批判が殺到。東大院の情報学環・学際情報学府が公式サイトで「書き込みは大変遺憾」とする見解を発表している。
厚生労働省は、就職の機会均等を確保するための公正な採用選考を掲げており、事業主向けの指針を出している。その中で、採用選考の基本的な考え方として「応募者の基本的人権の尊重すること」「応募者の適正・能力のみを基準として行うこと」を挙げている。
「法の下の平等」を明記した日本国憲法第14条に触れ、「採用選考においても人種、信条、性別、社会的身分、門地などの事項による差別があってはならず、適正・能力のみを基準として行われることが求められます」と言及している。