GSOMIAどうなる? 23日午前0時に失効。日米韓は駆け引きも、世論は「破棄やむなし」

11月22、23日には、名古屋市でG20(主要20カ国)の外相会合が開かれる。このままでは会期中に各国の注目が集まっている。
|
Open Image Modal
日韓GSOMIAが締結されたソウルでの署名式の様子(2016年11月23日、South Korean Defense Ministry via AP, File)
AP

日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が11月23日に迫っている。

時事通信によると、韓国では21日午前、国家安全保障会議(NSC)を開いて対応を協議している。同日中に破棄を回避するかどうかの最終判断を下す見通しという。

韓国政府は8月に日本の輸出管理強化に対抗してGSOMIAの破棄を通告した。アメリカは当時から「強い失望と懸念」を表明。決定の見直しを求めて韓国側への働きかけを強めていた。

韓国メディアの報道によると、アメリカは韓国に対してGSOMIA破棄の撤回を求める一方、米韓の防衛費分担交渉で在韓米軍の縮小も辞さない姿勢を示しているという。

 

韓国「日本に原因」、日本「失効しても万全の体制」

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11月19日、「GSOMIAが終了することになっても、日本と安全保障上の協力をする」と述べた一方、GSOMIAをめぐる問題は「日本側が原因を提供した」と主張

これを受け、20日には菅義偉官房長官が記者会見で「韓国政府による日韓GSOMIA終了の通告は地域の安全保障環境を完全に見誤った対応で極めて遺憾」として、引き続き賢明な対応を求めていく方針だ。

さらに「我が国の防衛や緊急事態への対処に直接必要となる情報は、独自の情報収集に加えて同盟国である米国との情報協力によって万全の体制を整えている」と述べ、GSOMIAが失効しても大きな影響はないとの見方を示した。

中央日報は21日の社説で「アメリカの態度は極めて残念だ」とする一方、「今からでもGSOMIA破棄を撤回するか、そうでなければ後の影響を減らす案を講じる必要がある」としている。

Open Image Modal
GSOMIA破棄を求める集会(韓国・ソウルで、2019年11月15日)
AP Photo/Ahn Young-joon

日韓の世論調査では、国民は「破棄」を支持

一方、日韓両国の国民は「GSOMIA失効やむなし」との考えのようだ。

韓国の世論調査機関リアルメーターが11月18日に発表した世論調査によると、日韓GSOMIA破棄の決定を「維持すべき(GSOMIA破棄に賛成)」と回答したのは55.4%で、「撤回すべき(GSOMIA破棄に反対)」と回答した33.2%にとどまった。「分からない・無回答」は11.4%だった。

11月6日に行われた調査と比べると、「維持」派が7.1ポイント増加しており、GSOMIAは不要だとする世論が強まっていることがうかがえる。

日本でも、産経新聞社とFNNの合同世論調査(18日発表)によると、「破棄はやむを得ない」との回答が68.3%にのぼり、「延長されるべき」の14.4%を大きく上回った。

 

決断は?

11月22、23日には、名古屋市でG20(主要20カ国)の外相会合が開かれる。このままでは23日午前0時に日韓GSOMIAが失効することになり、各国の注目が集まっている。