ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝で、5階級王者のWBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちした井上尚弥選手は、真の世界王者となった。
リング上で手渡された優勝トロフィーを高らかに掲げ、勝利を噛み締めた。
ところが試合翌日の11月8日、ドネア選手がTwitterに投稿した動画には、井上選手に手渡されたはずの優勝トロフィーが映っていた。
負けたはずなのに、なぜ優勝トロフィーを。
ドネア選手がその理由を別のツイートで明かしている。
「私はトロフィーを持ち帰るために日本に来た。息子たちにトロフィーを見せると約束したんだ。涙ながらに、恥をしのんで井上にトロフィーを一晩だけ貸してくれないかとお願いしたんだ。僕のためでなくて、約束を守るために」
子供たちとの約束を果たすため、優勝トロフィーを借りたのだ。
投稿された動画では、トロフィーの横に並んだ息子2人が「井上さんありがとう。おめでとうございます」と感謝と祝福のメッセージを送った。
一晩明けた8日に開かれた井上選手の勝利会見の場には、優勝トロフィーを抱える井上選手の姿があり、きちんと持ち主の元に返されたようだ。