オーストラリアのサッカー女子代表チーム(愛称マチルダス)で、報酬の男女平等がついに現実のものとなる。
オーストラリアサッカー連盟(FFA)は、同国の女子代表チームが男子代表チームと同等の報酬を受け取るという画期的な取り決めを11月6日に発表した。
世界初となるこの協定では、男子代表チームの賃金と平等な額を支払われるだけでなく、商業収入も同等な割当がされる。
FFAによると、この協定によって、選手がFIFAワールドカップ出場権を獲得することで取得する賞金額の40%を得られる事になり、以前の30%から10%増になるという。
また、決勝トーナメントに進出した場合には、賞金の割当は更に全体額の50%に増す。オーストラリア男子代表はこれまで、女子代表よりも多くの報酬支払いを受けており、商業収入においてもより多くの所得を得ていた。
プロサッカーにおける男女間での賃金格差に注目が高まるようになったのは、アメリカ女子代表チームが、所得と労働条件におけるジェンダー差別を主張し、米サッカー連盟を今年3月に告訴したことがきっかけだった。
アメリカ女子代表チームはフランスで開催されたW杯で優勝した際、大会全体の賞金総額3000万ドル(約32億7000万円)のうち、400万ドル(約4億3700万円)を受け取った。一方、2018年にフランス男子代表がW杯を勝ち取った際に支払われた報酬は、大会全体の賞金総額4億ドル(約437億円)のうち、3800万ドル(約41億5000万円)だった。
サッカーオーストラリア女子代表は、今年フランスで行われたFIFA女子W杯に先駆け、国際サッカー連盟FIFAに賞金配分における平等を訴えるキャンペーンを立ち上げた。
「ここに来て初めて、選手個人が受け取る報酬が、チーム全体の収入と直接繋がりました。これによって持続可能な経済モデルが実現し、選手とFFAが協力し、一緒に商業利益全体を伸ばすことができるでしょう」とFFAのチェアマン、クリス・ニコウ氏は語る。
さらに彼は「この合意が及ぼす影響はサッカー女子代表に留まらず、若者や障がい者サッカーのチームにも及ぶだろう」と加えた。
「実にユニークな協定です。男女双方の代表チームから、青少年代表チームや障がい者チームに至るまで、この協定は全てのチームを視野に入れています」
「オーストラリアや世界のスポーツにおける、この新天地の開拓を誇りに思います」
Twitterでは、「次の世代の女子サッカー代表選手たちが、パートの仕事などせず、サッカーに専念できるのは素晴らしい」など、歴史的な出来事を成し遂げた女子代表チームを祝福する声が多く寄せられている。
ハフポストUS版を翻訳、編集しました。