毎年、思わぬ誤用や新しい言葉の使われ方が話題になる文化庁の「国語に関する世論調査」が10月29日に発表されました。
まずは、皆さんもチャレンジしてみてください。
いかがでしたか?
調査は、日本人の国語に関する意識や理解の現状を調べるために1995年度から毎年実施しているもの。2018年度版は、2019年2~3月、全国の16歳以上の男女3590人を面接し、1960人(54・6%)から回答を得ました。
「憮然」の意味を正しく理解していたのは28・1%で、56・7%の人が「腹を立てている様子」と考えていました。
「御の字」の正答率も36・6%。「一応、納得できる」という意味だと誤って理解している人は49・9%に上っています。
「砂をかむ」は、本来は「味わいも面白みもない」という意味ですが、こちらも正答率は32・1%。「悔しくてたまらない様子」だという回答が56・9%に達しました。
「天地天命に誓って」「舌の先も乾かぬうち」「論戦を張る」は、いずれも辞書には乗っていない用語です。
「天地神明に誓って」というのは、天と地すべての神々に誓う、という意味ですが、本来は意味をなさない「天地天命」を使う人はすべての世代で5割を超えています。
戦で陣形を組んで戦いに備えること「陣を張る」と言います。論理を組み立てて議論を展開することを「論陣を張る」というのも、ここから来ていますが、「論戦を張る」を使う人は44%にのぼりました。
興味深いことに、若い世代ほど本来の意味を理解しているようです。
「論戦を張る」と本来の意味ではない使い方をしているのは、20代以上のすべての世代で4割を超えたのに対し、16〜19歳では27・1%にとどまりました。