ラグビーワールドカップ日本大会(9月20日〜11月2日)がきょう開幕する。
世界20チームが参加し、世界一をかけた1カ月以上に渡る熱戦が繰り広げられる。
世界ランク10位の日本は、予選でプール(グループ)Aに入り、アイルランド、スコットランド、ロシア、サモアと対戦する。大会公式サイトなどを元に、日本の注目選手や対戦チーム、予選突破の条件を解説する。
予選リーグ突破の条件は?
今大会に参加したのは、前回のイングランド大会の成績によって出場権を獲得した12チームと、予選を勝ち抜いた8チームの計20チーム。
日本はプール(グループ)Aで、ロシア、アイルランド、サモア、スコットランドと対戦する。ルールやグループ突破の条件は以下の通り。
予選(20チーム):5チームごとの4プール(A〜D)。4試合ずつの総当たり戦で、上位2チームが勝ち抜け。
決勝トーナメント:(8チーム):各プールの1位通過チームは、別のプールの2位通過チームと対戦する。トーナメント方式で優勝を決める。
ラグビーは一般的には15人制だが、オリンピックでは7人制が採用されている。 2020年の東京オリンピックに出場できるのは12カ国。各地域で開催される予選の結果を踏まえて、出場枠が与えられる。日本は開催国枠での出場が決まっている。
日本の注目選手
まず、我らが日本代表チームの注目選手を紹介する。()内はポジション。
●田村優(スタンドオフ)
2016年から日本の10番を背負う不動の司令塔。
正確なパスとキックを武器に、味方を走らせトライを演出する。スペース感覚とスキルに優れており、コーチや元チームメイトらから「日本で一番のSO」「天才」と評されるほど信頼も厚い。 中学時代まではサッカーをしていた。
●姫野和樹(ロック、フランカー NO.8)
日本代表に勢いを与える25歳の若きスター。
187センチ、108キロの強靭なフィジカルを武器に、アグレッシブなプレーでチームを盛り立てる。持ち味の突破力に加えて、タックルにも磨きがかかっている。ここ数年で急成長し「日本代表の新しいスター」と紹介されている。
●福岡堅樹(WTB / ウィング)
世界トップクラスの速さを誇るスピードスター。
前回イングランド大会やリオデジャネイロ五輪など国際大会の経験も豊富で、日本代表のエースを担っている。高校では100メートルを運動靴で11秒2、50メートルも5秒8だったという。爆発的なスピードでディフェンスを置き去りにして、トライを納める姿に期待したい。けがのため、初戦ロシア戦は欠場する見通し。
東京オリンピックの7人制ラグビーを最後に、医師を目指す意思を固めているという。
対戦相手はどんなチーム?
続いて、日本が対戦する各チームを紹介する。
試合時間:9月20日午後7時45分〜、放送:日本テレビ、J sports
ワールドカップ出場は2011年大会以来2度目で、これまで勝ち星はない。力強いセットプレーと高い攻撃力を備えるチームだ。フィジカルやパワーを生かしたプレーを得意とするロシアに対して、日本が速さや運動量でどれだけ上回れるかが見どころだ。 キャプテンで、俊足でトライを量産するバシリー・アルテミエフ選手を中心に、ベテラン選手が多い。
昨年11月のテストマッチでは日本が勝利したが、前半は大幅リードを許す大苦戦を強いられた。世界ランクは日本が上回るが、油断は禁物だ。
試合日時:9月28日午後4時15分〜、放送:NHK総合、J sports
世界ランク1位で優勝候補の一角。プールAで最強チームで、日本にとっては最大の山場となる。昨年は、ヨーロッパ大会で全勝優勝し、11月には絶対王者のニュージーランドも撃破。最も勢いのあるチームの一つだ。
注目選手は、司令塔ジョナサン・セクストン(スタンドオフ)。 パス、キック、ラン、タックルと全てをオールマイティにこなし、世界最高のスタンドオフの呼び声も高い。2018年のワールドラグビー年間最優秀選手賞を獲得している。 チームを引っ張るキャプテンは、4大会目の出場となるベテラン、ローリー・ベスト選手(HO / フッカー)が務める。
試合日時:10月5日午後7時半〜、放送:日本テレビ、J sports
過去に2度ベスト8入りし、世界にインパクトを与えた。フィジカルに優れた選手が多く、爆発的なスピードを持つランナーと、激しいタックルやパワープレーが得意な選手が多数揃っている。
中心選手はトゥシ・ピシ選手(スタンドオフ)。相手のタックルをかわす巧みなステップや、味方を見ずに正確に繰り出すノールックパスなど、変幻自在のプレーが持ち味だ。 過去には、日本のサントリーサンゴリアスや、サンウルブズにも所属した。 サモアチームは、試合の前に戦いの儀式「シバ・タウ」を演じることでも知られている。
試合日時:10月13日午後4時15分〜、放送:日本テレビ、J sports
1871年にイングランド代表と世界最初のテストマッチを戦った伝統チーム。 ワールドカップでの最高成績は4位で、前イングランド大会で日本が敗北を喫している。上位2位通過を狙う上で、日本初のベスト8入りかけた大一番となるとみられる。
注目選手は、スチュアート・ホッグ(フロントバック)選手。最後尾から一気に駆け抜けるスピードと、華麗なステップワークを武器に、相手のタックラーを翻弄する。過去には、ヨーロッパ大会の最終選手に2年連続で選ばれている。 正確なキックやパスを操るクレバーなベテラン、グレイグ・レイドロー選手も注目だ。