アメリカ・フロリダ州で、22年前に行方不明になっていた男性が池に沈んだ車から遺体となって発見された。
驚くべきことに、長年の行方不明者の発見に至った手掛かりは、グーグルのサービスの1つである「グーグルアース」だった。CNNなどの海外メディアが9月13日に報じた。
CNNによると、グーグルアースによって発見されたのは、失踪した当時40歳だったウィリアム・モルトさんだ。1997年11月7日にフロリダ州のパームビーチ郡で姿が確認されているのを最後に行方不明になった。
モルトさんは同日夕方、訪れていたバーから交際相手の女性に「まもなく家に戻る」と電話をかけ、その直後に1人でバーを出る姿が目撃されていたが、酒に酔っている様子はなかったという。
パームビーチ郡保安官事務所によれば、元住民が、かつて住んでいた場所をグーグルアースを使って見ていたところ、池の中に”何か”があるのに気付き、発見場所の隣にある家に住む現在の住民に連絡をとった。
現地の警察によると、この住民が所有しているドローンで空から現場の状況を確認し、その後、保安官事務所に通報した。
グーグルアースの画像をよく見ると、池の中に、屋根と窓ガラス部分があるのが分かる、車とみられる物体が沈んでいる。
調査の結果、グーグルアースで見つかった物体は「ひどく石灰化」した車であることが明らかとなり、警察が車体を引き揚げたところ、車内からは白骨化した遺体が見つかった。
その後、遺体は検視機関に送られ、9月10日にモルトさんだと確認された。
2007年の衛星写真から車体は映っていたが、誰一人気が付かず...
アメリカには、国内で未だ解決していない事件や行方不明者の情報を掲載するデータベースサイト「チャーリー・プロジェクト」が存在するが、BBCによれば、2007年以降のグーグルアースの衛星写真から、池の中の車体をしっかりと確認できるものの、これまで誰1人として気づいていなかったという。
また、パームビーチ郡保安官事務所はBBCに対し、モルドさんがハンドルの操作を誤ったことで池に落下した可能性を示唆している。
22年もの間、未解決だった男性の失踪事件。真相はまだ分からないが、ヒントを提供したのは人間による捜査ではなく、衛星技術だった──。