ジャーナリストの青木理氏が9月1日、TBS系の「サンデー・モーニング」に出演し、日本のテレビでの日韓関連の報道について、「韓国だったら何を言ってもいいんだみたいな人たちが、煽っている」などと批判した。韓国では世論が多様化している一方で、日本の報道は韓国批判一色だとしている。
この日、番組では、韓国で安倍晋三首相を糾弾する集会が開かれている一方で、文在寅(ムン・ジェイン)政権を批判する集会も開かれていると紹介。文大統領の側近のスキャンダルが報じられたことや、韓国が日本とのGSOMIAを破棄する発表をしたことなどを受け、「(日韓は)協力すべきなのに、今の韓国のやり方は、一方的で間違っている」「反日感情を煽って自らの政権を延命させようとする策略だ」などと訴える集会参加者がいることをあげ、世論が多様化している様子を報じた。
青木氏は一連の報道について意見を求められると、「スキャンダル隠しだという報道は、確かに現地(韓国)ではある」と述べるとともに、日本が韓国に対して輸出規制を発表したのは参議院選挙の告示前だったと指摘。日韓両政権について、「両政府とも、ちょっと強硬的なことをやって、政治利用しているということがある」と述べた。
さらに、青木氏は、「ちょっと冷静になって、ちょっと中長期的に考えたら、日韓共に得なことがひとつもない」などと述べ、その理由を次のように語った。
「安全保障もそうだし、日本にしても北朝鮮と交渉するという時に、韓国のパイプがあるというのは、絶対あったほうがいいです。
経済的にも、1965年に日韓国交正常化して以降、日本が経済協力資金を渡すかたちで韓国は成長したんだけれども,日本の紐付きの資金だったから、日本の企業もすごく潤ったわけですよ。つまり日韓の貿易というのは、一貫して日本が黒字、韓国が赤字。韓国は経済成長した、日本の企業も潤った。ある種、ウィン-ウィンできているわけですよ。
その経済を傷つけるし、ここに来て観光にまで傷が出てきているということは、両方にとって一つもいいことはなくて、唯一あるとすれば、お互いに一泡吹かせてやって、ちょっとスッキリしたというようなカタルシスですよね。
そんなことのために、これ以上、対立続けていいのかっていうことを考えなくちゃいけないのと、ちょっと気になって僕がいるのは、韓国では比較的、文在寅政権のやり方おかしいんじゃないかっていう声が出てきていて、これまで反日一色だったのが、韓国のほうが世論が多様化している感じがするんですよ
ところが日本はどうかというと、もう、ほぼ韓国批判一色、どころか、言いにくいんだけど、この局なんかも含めて。非常にテレビで乱暴な…。韓国だったら何を言ってもいいんだみたいな状況の人たちがたくさん出てきて、またみんなで煽っているという状況になっている。
だから、政治とメディアが本来煽っちゃいけないのに、煽ってちょっといい気になっているっていうような風潮が、むしろ日本が強まっているっていうあたりが、僕はここのところすごく気になってしょうがないですね」
これについて、番組司会の関口宏氏は、「あるかもしれませんね。何か問題起こってますね、あっちこっちで」などと応えた。