兵庫県宝塚市が募集した、バブル崩壊後の就職難を経験した「就職氷河期世代」を対象とした正規職員採用に、定員の600倍もの応募が殺到した。
毎日新聞によると、全国から1800人を超える応募があったという。
宝塚市は、8月に実施した正規職員採用で、一部の事務職の応募条件を1974年4月2日から1984年4月1日までの間生まれで、高卒以上の人とした。年齢で言うと36〜45歳で、「就職氷河期世代」と呼ばれる世代だ。
8月19日〜30日で募集したところ、募集人数の3人に対して、全国から1816人の応募があったという。
中川智子市長は8月30日の記者会見で、「今も不安定な生活をする就職氷河期世代への支援が必要だと改めて実感した」と説明。さらに「ただ、宝塚の取り組みだけでは足りない。同じ取り組みが国や他の自治体に広がってほしい」と、就職氷河期世代の雇用支援を訴えたという。
9月22日に一次試験の筆記テストを予定しており、その後面接などを経て、合格者は1月から勤務を始める。
神戸新聞によると、市は向こう3年間、氷河期世代向けの採用試験を続けるという。
政府は6月、就職氷河期世代支援プログラムを発表し、3年間でこの世代の正規雇用者を30万人増やすことを目標に設定。「地域ごとに対象者を把握した上で、具体的な数値目標を立てて3年間で集中的に取り組む」と掲げているが、行政による直接雇用には触れていなかった。