「女の子がゲームやるなんて」そんな一言を、ドラクエの勇者が解き放ってくれた。回顧マンガに反響続々

好きなものを男女の区別で制限された経験があった作者のかずささん。過去を振り返ったマンガに「私も大好き」「勇気付けられた」と多くの反響が寄せられました。

「女の子がゲームするなんて」「女はゲームの話に入ってくるな」ーー。

幼いころ、そんなことを言われてしまった女子たちは少なからずいるだろう。

その理不尽さに、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」から勇気をもらったというTwitterユーザーのかずささん(@kazusa_pb)が投稿した漫画が、反響を呼んでいます。

「女だてらにゲームなんかするから…」理不尽な言葉に傷ついた少女時代

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かずささんが「好きなものを好きでいいんだ」と感じられたドラクエでのエピソード
かずささんのTwitter(@kazusa_pb)より
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かずささんが「好きなものを好きでいいんだ」と感じられたドラクエでのエピソード
かずささんのTwitter(@kazusa_pb)より
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かずささんが「好きなものを好きでいいんだ」と感じられたドラクエでのエピソード
かずささんのTwitter(@kazusa_pb)より

「女だてらに」という言葉は、『(女に似つかわしくないという非難を込めて)女らしくもないことをするさま』を意味する

以前、「特撮は男の子の物、特撮が好きという女の子を泣くまで虐めて、それでも好きなら特撮好きでいい。なぜなら女の子は男の子のコンテンツを間借りしているから」という内容のツイートを見かけたというかずささん。

かずささん自身も、幼いころに「男の子向け」と言われたものが好きだったそう。

このツイートを見て「私は特撮も好きで、そして好きなものを男女の区別で制限された経験があったので、それはフェアじゃないよなと思い出した」といい、少女時代の思い出を漫画にしようと決意。

「男の子のものを女の子がするな」という不可解さに、答えをくれたのは当時から好きだったドラクエシリーズの第4作目『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』でした。

「女だてらに…」と言われた自分に最高の答えをくれたドラクエ

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かずささんが「好きなものを好きでいいんだ」と感じられたドラクエでのエピソード
かずささんのTwitter(@kazusa_pb)より
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かずささんが「好きなものを好きでいいんだ」と感じられたドラクエでのエピソード
かずささんのTwitter(@kazusa_pb)より

そう、ドラクエシリーズ第4作といえば、グラフィック面でも女の子の勇者を選べたのです。

かずささんが当時手に入れられなかったという前作のドラクエ3(1988年発売)では、それまで主人公の勇者が男の子しか選べなかった設定を変更し、女の子の勇者を選べるようになりました。

ですが、グラフィック上は男の子の勇者とも変化はなく「お前を勇敢な男の子として育てたつもりです」と言って送り出されるなど、女性としての性格面は男性に寄らされたものでした。

しかし第4作目からは、ドラクエ史上初、女性勇者のグラフィックが用意され、「男の子として育てられた」のではなく、姿かたちも女の子が女の子として旅に出られるようになったのです。

この時代、ゲームの主人公は男の子ばかり。いまでこそ男女が選べるものが多くなりましたが、以前は冒険もののポケモンもマリオも、シミュレーションものであれば牧場物語なども主人公は男の子しかありませんでした。

昭和と平成をまたいだばかりの時期、ドラクエシリーズは、女性ゲーマーたちに希望の光を見せてくれたのです。

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かずささんが「好きなものを好きでいいんだ」と感じられたドラクエでのエピソード
かずささんのTwitter(@kazusa_pb)より
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かずささんが「好きなものを好きでいいんだ」と感じられたドラクエでのエピソード
かずささんのTwitter(@kazusa_pb)より

かずささんの回顧マンガは2万件を超える「いいね」がつく反響を呼び、同じように傷ついた経験がある人からのエピソードや「勇気付けられた」「目頭が熱くなった」というコメントが続々と寄せられました。

かずささんはこのマンガを投稿したことで「今回たくさんのコメントを頂いた中で男性からも『ゲームをしているのは子供っぽいみたいな扱いを受けた』というのもあって、男性側にも色々あるんだと思いました」と気づきも得たといいます。

美術館と学校を結ぶコーディネーターをしていたというかずささん。

「ファインアート・サブカルチャーの垣根なく創作する楽しさを伝えていくことができたらなあと思います」と思いを伝えてくれました。

以前かずささんは「創作している人はすごい!」というツイートにも反響が寄せられたことがありました。「これからもそういった人たちを応援したいですし、私も片隅で落書きしていられたらとおもっています」と言います。

また、かつてはゲームやアニメ好きであることと犯罪を結び付けて報道する偏見に満ちたニュース番組や紙面も多く、現在も凶悪事件があった際に、容疑者の家宅捜索で「ゲームが見つかった」などと言う表現が使われるシーンを目にすることもあります。

日本だけでなく、海外でも銃犯罪をゲームのせいだとする論調も多々見受けられ、社会にはいまもゲームやアニメに対する偏見が残っています。

かずささんはこの体験談を通し「いまだに凶悪事件の犯人がアニメやゲーム、小説や漫画などサブカルチャーのファンだったときに、そういうコンテンツが原因みたいな話をされることもありますが、そうではなくて、むしろ色々なコンテンツが人を救うこともあるんだと知っていただければと思います」と語っていました。