闇営業をめぐる問題で、吉本興業の岡本昭彦社長や大﨑洋会長を批判し、体制が変わらなければ「退社する」と踏み込んだ発言をしたことで、今後の去就が注目されている極楽とんぼ・加藤浩次さん。
8月9日、MCを務める日本テレビ系「スッキリ」で、加藤さんはこの“退社発言”を謝罪した。
番組冒頭で8日に吉本興業東京本部で行われた「経営アドバイザリー委員会」の内容を紹介し、スタジオで加藤さんが今回の騒動について経緯を語った。
そのなかで、7月22日の退社発言に触れ「加藤浩次言ったことを実行しないのかと思う方もいると思います。そういうご迷惑をおかけした方に謝罪したいと思います。本当にすみませんでした」と頭を下げた。
これは「専属エージェント契約制」の導入を吉本興業が発表したことを受けたもの。
番組で加藤さんは、エージェント制の導入について「僕が思いつきました」と語り、提案したことを明らかにした。
エージェント制は、タレントが自らスケジュールを組み、仕事の報酬などもタレントが決めるが、エージェントが代理人として交渉することもあるという。
吉本側がそれを受け入れたことにより「僕自身が上層部が変わらなければ辞めると言ってしまいました。いろんな思いがあってエージェント制を提案させていただいて、こういう形になっている。ですから吉本に残る形になってしまった」と現状を説明。
体制が変わらなければ退社と言ったものの、仕組みの改善が見られたことや加藤さんの提案が通ったことで辞める必要がなくなったという。
委員会では、従来のマネジメント契約のほか、共同確認書を交わすことを約束。その上で、海外では一般的に取り入れられてきた「専属エージェント契約」の導入を説明した。
加藤さんはこのエージェント制について、雇用される側という立場を変え会社と対等な関係を構築するため、海外の例を参考にしたという。
「(エージェント制は)自分が中心でやる。芸人にとっていいことだけど、今回のような闇営業問題があったら個人で責任をとる。そしたら宮迫さんや亮はすぐに会見もできた」「責任も負う。そして自由も勝ち取る。その形になればいいと思っている」と解説した。
ダウンタウンや、闇営業問題で相方が謹慎中のロンドンブーツ1号2号の田村淳さん、ココリコ、東野幸治さんなどと相談したという。その後、松本人志さんから大﨑会長に話を通してもらったことを説明した。
「怒りというのが強かったのかもしれないけど…」対立構造に疑問を呈す
加藤さんは、「退社発言」について「嘘はないしそういう気持ちでいた。実際にそうなってもいいやと」と話した。そして「僕自身、その中で怒りというものが強かったのかもしれない。その時は本心でそう思っていました」と振り返った。
大﨑会長にも対談して「辞めます」と伝えていたことも説明した。
ただ、その際に大﨑会長に「誰も辞めさせたくない」と言われたことや、先輩らからの助言で「これは自分のエゴで、辞めたいって言って辞めようとしてるだけなのかと。それはちょっと違うんではないかと」と感じたという気持ちの変化を吐露。
一方、退社発言がマスコミに取り上げられ「加藤の乱、と言われ、松本さんと対立構造を作られ、加藤の派閥はこういう人間だ、松本さんの派閥はこういう人間だ、みたいな。傍観していましたがそこに対して『あれ?』と思うことが何か所もあった」と疑問を呈した。
退社発言の直後に松本さんと電話で話し「見える景色も違う部分もあるんやろうな。吉本を変えていかなあかんな」と話されたことを明かした。
「革命を起こす、乱を起こすなんていうことは水面下ではなかった」と説明し、ワイドショーだけでなく報道番組も対立構造を煽っていたとして「マスコミの怖さを感じ、考えるものがありました。勉強になった」と語った。