渋野日向子選手、狙いは東京オリンピック金メダル。「meijiカップはチョコレートが楽しみ」

全英オープンに優勝した渋野日向子選手が記者会見で。「宮里藍選手のように女子ゴルフを引っ張れる存在になりたい」と抱負を語った。
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全英女子オープンで優勝を果たした渋野日向子選手が8月6日に日本に凱旋帰国し、羽田空港で記者会見を行った。

ゴルフの5大メジャー大会で日本人が優勝するのは男女通じて42年ぶり2度目。

プロテスト合格からわずか1年。メジャーデビュー戦でいきなり快挙を成し遂げた渋野選手については、現地メディアも「Smiling Cinderella(笑顔のシンデレラ」と報じている。

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全英オープンの渋野日向子選手
AFP=時事

「まったく泣いてないです」

会見に臨んだ渋野選手は、BEAMSの紫色のポロシャツ姿で終始笑顔だった。大勢の報道陣が詰め掛けたことに驚いた様子だったが、「イギリスに着いた時から日本に帰りたいと思っていた。やっと帰れたので嬉しいです」と笑わせ、「(優勝の)実感はまだないけれど、だんだんと湧いてくるのかと思います」と語った。

単独首位でスタートした最終日は、3番で4パットをたたいてダブルボギー。一転追う立場になったが、「返しも入らなかったが、特に緊張もしなかった。攻めた結果だったので、怒ることもなかった」と淡々と振り返った。ギャラリーの声援にも押され、気持ちを切り替えることができたという。

2018年7月にプロテストに合格したばかり。メジャー大会は「一生に一度出られたらいいなと思っていた」が、3日目を終えて単独首位。初めて「優勝を意識した」という。

快挙達成も「想像以上の結果。驚きすぎて涙も出ない。まったく泣いてないです」と笑顔。「何を学んだか」と問われるも、「何を学んだかな? 学びに行ったんですけどね。優勝しちゃったからなぁ…」と笑いを誘った。

 

「シンデレラは良く言いすぎ(笑)」

ピンチでも笑顔を絶やさない渋野選手は、海外でも「笑顔のシンデレラ」として一躍人気スターとなった。渋野選手は「シンデレラ」と呼ばれることについて「シンデレラは良く言いすぎだと思うけれど……」と苦笑。

一方、「外国のギャラリーさんからも声援をもらえたので、そう覚えてもらえるのは嬉しかった。プロゴルフは見せる競技なので、ギャラリーに楽しんでもらうには、自分が楽しんで笑顔でやらないとみんなも楽しくないと思うので、そこは心がけています」と語った。

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ゴルフの全英女子オープンで優勝し、笑顔で記者会見する渋野日向子=8月6日、羽田空港
時事通信社

「宮里藍さんのように女子ゴルフ界を引っ張っていける存在になりたい」

渋野選手は、日米ツアーで6勝している畑岡奈紗選手らと同じ1998年生まれ。2017年に引退した宮里藍さんに憧れ、切磋琢磨しながら成長した「黄金世代」と称される。

「どんなゴルファーになりたいか」と質問され、渋野選手は「宮里藍さんのように女子ゴルフ界を引っ張っていける存在になりたい。藍さんのようにはなれないけど…」と謙遜したが、「今のジュニアの見本になれるように頑張りたい」と次世代へのバトンを意識した言葉も飛び出した。

「ギャラリーにも応援してくれるジュニアの子が増えて、私のようになりたいと言ってくれる子もいた。全英でも外国人の小さな子が多かった。その子たちのためにも頑張らなきゃと思いました」

将来の目標については「今年の目標は1億円プレーヤーになること。将来は賞金女王にもなりたい」と語る一方、「海外メジャーでの成績は東京五輪に出るためにも大事だと思っているので、勝ててよかった」と1年後に迫った2020年の東京オリンピックも見据えたコメントも。 

「自国開催なので、金メダルをとりたい。まだ選ばれてもいないのに、すみません(笑)」と自信を見せた。

 

「meijiカップはチョコレートが楽しみ」

記者会見では、「食べ物」に関する質問もたくさん上がった。

「飛行機の中では何をしましたか?」の質問には、「寝て、ご飯食べて、寝て、フルーツ食べて、ケーキを食べて。お祝いにJALさんが作ってくださって」と渋野選手。「ケーキはいかがでしたか?」と続けて尋ねられると、「美味しかったです」と満面の笑顔を見せた。

次戦「北海道meijiカップ」での意気込みについてもコメントを求められると「meijiカップはチョコレートが楽しみ。優勝してからの次の試合は大事だと思うので、気負わずいつも通り頑張りたい」。

「今はお菓子だと何が食べたい?」との質問には、「JALで『タラタラしてんじゃねーよ』をもらったので、今は梅こんぶが食べたいです」と笑わせた。

さらには、渋野選手がプレー中に頬張っていた駄菓子「タラタラしてんじゃねーよ」に問い合わせが殺到していることについてコメントを求めたり、「駄菓子屋さんのおばあちゃんが写真を一緒に撮りたいと言っているがどうか」と尋ねたりする質問も上がった。渋野選手は終始笑顔で真摯に答えていた。