ディズニーのグーフィー役を長く務め、『トムとジェリー』シリーズではトムが飼われている家の番犬スパイクの声を演じていた声優の島香裕さんが7月28日に亡くなっていたことが分かった。70歳だった。
講師を務める東京アナウンス学院のホームページによると、すでに通夜と告別式は執り行われた。
ロボットアニメや海外映画の吹き替えで活躍。黒澤明監督の映画にも俳優として出演していた
おっとりしたグーフィーの声の印象とは少し離れるが、貫禄のある太い声で知られる島香さんは、1980年代のロボットアニメには欠かせない存在だった。
アニメ版『トランスフォーマー』シリーズでは、防衛参謀のレーザーウェーブや、サンダークラッカーなど敵方のデストロン陣営のほか、サイバトロン陣営ではゴングの声を務めるなど、敵味方を問わず演じた。
海外映画では、『ミッション:インポッシブル』のルーサー・スティッケル役で有名な俳優ヴィング・レイムスの吹き替えとして複数の映画で役を担当した。
『X-ファイル』シリーズでは、ウォルター・スキナーFBI長官役をこなし、海外人気ドラマ「ER緊急救命室」シリーズの吹き替えにも複数の役で出演。
『インディ・ジョーンズ』『スーパーマン』『スター・ウォーズ』などにも出演し、恰幅の良い男性の役やドスの利いた悪役を務めることが多かった。
日本アニメでも『コードギアス反逆のルルーシュ』の仙波崚河役のほか、『名探偵コナン』や『まじっく快斗』で人気を誇る怪盗キッドの師匠で、世界的マジシャンのジェームズ・ホッパー役をしていた。
声優として活躍する前には、黒澤明監督の映画『影武者』で原甚五郎役として出演。この作品は第33回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞している。
島香さんは現役の声優として活躍する傍ら、東京アナウンス学院や声優やナレーションの指導をする私塾「Goof Troop」で後続を育てていた。