フランス・パリのエマニュエル・グレゴワール副市長が、同市内の観光バスについて、規制に乗り出す考えを示した。CNNなどの海外メディアが、4日報じた。
CNNによると、グレゴワール副市長は観光バスを規制し、さらに駐車エリアをパリ市の外に導入することに言及した。
その上で、「パリ市の中心部では、もはや観光バスを歓迎しない」と明言。
さらに同副市長は、観光についてオープンな姿勢をとり、無料で利用できる公衆トイレを提供するなどしてきたと強調。
その一方で、「観光客らは誰しもが観光バスに乗らずとも公共交通機関の利用したり、環境に配慮した移動手段を利用することができる」と主張した。
観光バスを規制することで、バスガイドなど観光業に従事する者の働き方への影響が懸念されるが、同副市長はこれについて、「彼らはサイクリングやウォーキングツアーを行うなどで、適用しなければならない」と述べた。
海外の主要観光地で深刻さ増す“オーバーツーリズム”
今回のパリでの観光バス規制は、観光客が押し寄せる“オーバーツーリズム”の対策の一環として打ち出された。
観光客が増加することで生じる問題は、欧州を含む海外の主要な観光地で深刻化している。
インディペンデントによると、イタリアのベネチアでは、増え続ける観光客に対して、入場料を支払うことを課した。
現地で生活する人の生活を守り、街を綺麗な状態に保つことが主な目的だという。
ベネチアでは6月、大型クルーズ船が観光船と衝突する事故が起きており、現地の住民らが大型船の来航に抗議するデモ活動を行っていた。
オランダのアムステルダムでは5月、オーバーツーリズムの対策として、観光地としての宣伝プロモーションを中止する方針を観光当局が決めていた。