根本匠厚生労働相は6月4日の記者会見で、川崎殺傷事件や元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者が長男を殺害したとされる事件について、「事実関係が明らかではないが、安易に引きこもりなどと(事件を)結び付けるのは慎むべきだ」と言及した。朝日新聞デジタルなどが報じた。
朝日新聞デジタルによると、根本厚労相は、「ひきこもりの状態にある人への対策としては、個人の状況に寄り添い、きめ細かく支援しながら、社会とのつながりを回復していくことが重要」と述べた上で、「社会的孤立や家庭での様々な問題が複合化、複雑化している」と見解を示した。
5月28日に川崎市で発生した事件では、容疑者の男がひきこもりの状態にあったことが報じられていた。
さらに、6月1日に熊沢容疑者が長男を殺害したとされる事件では、警察の取り調べに対し、熊沢容疑者が川崎殺傷事件に言及。
「長男が子どもたちに危害を加えてはいけないと思った」と供述し、さらに「長男は引きこもりがちで、私と妻に暴力を振るうこともあった」と、引きこもりだったことについても触れたという。
相次ぐ事件の報道で、ひきこもり状態であることが犯罪と結びついて一部で報じられることについて、ひきこもり当事者や経験者が運営する団体は31日、声明文を公表。
メディアがひきこもりを「『犯罪予備軍』のような負のイメージ」で報じることに警鐘を鳴らしていた。