カネカの元従業員の妻が「夫が育休復帰直後に転勤を言い渡され退職した」ことを告発し同社に批判が集まっている。
「炎上」中の同社が6月3日、角倉護社長名で「育休直後に転勤内示」を認めるメールを複数の従業員宛に送っていたことがわかった。日経ビジネスが4日に初めて報じ、ハフポストもメールの文面を入手した。
メールでは、「育児休業休職直後に転勤の内示を行ったということはあります」とネット上での告発の内容を認めた一方、「見せしめといったものではありません」と夫婦が指摘していた嫌がらせの意図は否定した。
ハフポストの取材に対して同社の広報担当者は「Twitter上に書き込んだ人物が本当に社員の妻だとする証拠がない」ことを理由に、「現状ではコメントを差し控えたい」と回答していた。
しかし、メールの文面では「十分な意思疎通ができておらず、着任の仕方等、転勤の具体的な進め方について当該社員に誤解を生じさせたことは配慮不足であった」として、ツイート主の夫が同社の社員だったことも認めている。
メールについて、ハフポスト日本版の取材に対してカネカIR・広報部の担当者は「状況は理解していますが、この件に関しては、基本的にすべてコメントは差し控えさせていただきます」ということだった。
メールではツイート主が元社員の妻であると認めているを受け取れる点についても、改めて取材で尋ねた。
それに対して担当者は、「まだ確認ができていない。(批判が殺到して騒ぎになっている)状況というのは理解しておりますが、人事上に関わる話も含むことですので、個人情報の観点も大きいため、発言は控えさせていただきます」とした。
メールの文面は以下の通り。
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2019年6月3日
社員各位
社長
昨日6月2日より、SNS上に当社に関連すると思われる書き込みが多数なされていますが、正確性に欠ける内容です。
育児休業休職直後に転勤の内示を行ったということはありますが、これは育児休業休職取得に対する見せしめといったものではありません。
十分な意思疎通ができておらず、着任の仕方等、転勤の具体的な進め方について当該社員に誤解を生じさせたことは配慮不足であったと認識しております。
春の労使協議会でも述べたとおり、「社員は最も重要なステークホルダー」であります。
今回のような行き違いを二度と発生させない様、再発防止に努めます。
以上