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2018年度の男性の育休取得率が6.16%で過去最高となった。厚生労働省が6月4日に雇用均等基本調査の速報値を発表した。
厚生労働省の雇用均等基本調査によると、1996年度の統計開始以来、男性の育休取得率は少しずつ増加傾向にあるものの低迷している。
2002年には、少子化対策として「2012年までに男性の育休取得率10%を達成する」ことを目指していたが、目標には遠く及ばないまま、「17年までに10%」「20年までに13%」と目標を先送りしてきた。
この間、女性の育休取得率は大幅に増加。1996年には49.1%だったが、2018年度は速報値で82.2%となっている。
「この体たらくを見て、甘い考えだと認識した」
男性の育休取得をめぐっては、自民党有志が6月5日に「男性の育休『義務化』を目指す議員連盟」を発足する予定だ。
企業側は、日本生命が2013年に「目標100%」を掲げるなど、独自の取り組みが進められ、ワーク・ライフバランス社が取り組む「男性育休100%宣言」プロジェクトなど、まとまった動きも出てきている。
一方、育休からの復職直後に望まない転勤を命じられるなど、カネカによるパタハラ疑惑も浮上。
イクメンプロジェクトの座長を務める認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事は「企業側が男性育休取得に後ろ向きであるからこそ、男性が育休を取れないのだ」と指摘する。
イクメンプロジェクトは、男性育休など男性の家庭参加を進めるための啓発事業で、2010年に始まった。「当初は啓発を政策的に行うことで、男性育休取得率が上がり、それが男性の家事育児参加へと繋がっていき、男女共に子育てする社会の実現に資すると思っていた」と駒崎さんは振り返る。
だが、9年が過ぎても取得率は今も6.16%。
「この体たらくを見て、それが甘い考えだと認識した。もはや、啓発では足りないのは明らかだ。届出をした労働者は免除する等の例外対策を取りつつも、原則的には男性育休(産休)を企業への義務とする、男性育休(産休)義務化を推し進めるべきだ」と憤った。