5月1日、令和の時代が始まった。
1日午前には、即位に伴う一連の儀式が執り行われた。
平成の時代が終わり、天皇陛下であった明仁さまは「上皇」に変わられた。伴って、美智子さまは「上皇后」となられる。
平成時代の天皇陛下であっても、昭和天皇のように元号に天皇を付けて呼称するのは、崩御されたときに生前の功績をたたえて贈る名である「追号」または「諡(おくりな)」とされるため、上皇に対しては用いない。
皇室や皇位継承者につく敬称は、それぞれの立場によって違う。
皇室典範特例法により、新たに作られた「上皇」「上皇后」という身分には、どのような敬称が付くのか。
実は、皇室典範特例法によって敬称なども決められている。
「上皇」の敬称は「陛下」。「殿下」とは何が違うの?
「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」によると、「上皇」につく敬称は「陛下」だ。
新明解国語辞典第6版によると、「陛下」は「陛=御殿の階段」の下にいる取次ぎの人の意で、直接奏上(天皇に申し上げること)ができないという敬意を示したもの。
皇室典範では、「天皇と三后」への敬称として使うと規定されている。三后とは、先々代の天皇の皇后である「太皇太后」、先代の天皇の皇后である「皇太后」、そして天皇の配偶者である「皇后」のことをいう。
そのほかの皇族の敬称については、すべて「殿下」となっている。
大辞林第3版によると、「殿下」の元の意味は宮殿または殿堂の階下を指す。
このほか、天皇、皇太子、皇太孫は18年で成年するのに対し、その他の皇族は20年で成年になると定められている。
皇太子さまは不在?皇位継承者はどう呼び方が変わったのか
今回、徳仁さまが天皇陛下に即位されたことにより、皇位継承順位第1位は弟の秋篠宮さまとなった。
皇室典範第1条には「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とあるため、天皇陛下の娘である愛子さまは皇位を継承しない。
そのため、天皇陛下の息子である「皇太子」は不在となる。
秋篠宮さまの呼称は、「秋篠宮皇嗣(こうし)殿下」となった。ご夫妻での呼称は「秋篠宮皇嗣同妃両殿下」、紀子さま単独の場合は「秋篠宮皇嗣妃殿下」となる。
秋篠宮家の眞子さま、佳子さま、悠仁さまの呼称については変更はない。