国内大手の旅行会社JTBが首都圏の2店舗で4月1日から、相談料金の有料化を始めた。
店頭に貼られた注意書きには、国内旅行の相談の場合、基本料金が30分2160円、海外旅行は30分5400円とある。最初の30分以降は国内なら同額で、海外旅行は3240円と書かれている。
旅行好きなら、訪れた経験も多いJTBの店舗。現在は、国内販売拠点が688店舗展開されている。
店頭のパンフレットを眺め、旅行に行く予定がなくてもちょっと内容を聞いていこうと店内で相談をする人も多いだろう。
4月からの窓口対応有料化に、Twitter上では驚きや憶測の声も上がった。
JTBに、有料化のねらいを聞いた。
本当はもともと有料サービス。でも慣例で無料になっていた
JTBによると、いままで個人旅行のための日程表の作成などは、旅行計画の相談料金として有料だった。
しかし、旅行を契約するかしないかに関わらず、ツアーなどの旅行計画の相談に来ただけの場合は無料でサービスを提供していた。
ただ、観光庁と消費者庁が定めた約款のモデル「標準旅行業約款」には、「旅行相談契約」という項目がある。
そこには、旅行者が計画を作成するために必要な助言を与えたり、計画の作成、経費の見積もりなどをする際は相談料金が発生すると書かれている。
JTB広報室によると、この約款に従い、本来は相談料金を徴収すべきだったが、慣例として無料になっていた。
担当者は「何気ない会話から相談が始まっていることもあり、ご相談がすでに始まっている段階で相談料金の説明をするのは難しいものがあります。そのため、いままでは無料になってしまっていました」という。
個人旅行で見積書や日程表を作ってほしい場合は、どちらも1件当たり国内なら2160円、海外なら3240円が作成料金としてかかり、それに相談料金が30分毎に課されていた。
料金は、会社ごとに決まっており、JTBならば全国のどの店舗でも、本来なら支払いが必要だった。
有料化の本格導入は試験店舗の反応や成果を見て検討
JTBによると、相談料金の有料化については、実施中の導入試験の内容を見て検討する。
このタイミングでの導入試験については、特に大きなきっかけはなく、運用と乖離してしまっている慣例の見直しを考えてのことだという。
試験期間は設定しておらず、担当者は「今後、有料化を受けたお客様の反応なども吟味して運用自体を変えていく予定です。無料とするか有料とするかは、店舗の契約や成果なども見て判断する予定です」と話している。