フランス・パリのノートルダム大聖堂の一部が4月15日、火災で燃え落ちた事件。大聖堂が保管していたキリスト教の「聖遺物」の状態について、世界中が注目されている。
ノートルダム大聖堂には、カトリック教会の最も重要な聖遺物の一つ「いばらの冠」が保管されていた。
イエス・キリストが処刑を受けるためゴルゴタの丘まで、十字架を背負って歩かされた際に、頭にかぶっていたという冠だ。受難に関わる品や、聖人の遺骸や遺品は「聖遺物」と言われている。
火災の炎は、宝物庫までは至らなかったとみられる。
困難な状況下での運び出し作業、負傷者も
消火作業には約400人の消防士があたった。現場の消防士の最優先事項は、世界的にも貴重な文化財の数々を守り、運び出すことだ。
消防署の司令官によると、文化財の救出作業は「物が落ちてくる中で、濃い煙も立ち込める活動となり、困難をきたしている。作業で負傷した消防士もいる」と話している。