昭和生まれで、平成を未婚のままで過ごし、新時代「令和」を迎える人を「平成ジャンプ」と呼ぶらしい。人気アイドルグループ「Hey!Say!JUMP」と掛けたようなこのワード、いつから使われているのだろうか。
初出は「19年3月末退位」の報道翌日…?
アイドルグループとは違う文脈で「平成ジャンプ」が使われたケースをTwitterで検索したところ、2017年10月21日までさか上ることができた。
「結婚出産といった人生イベントを経験せずに平成をスルーすることを平成ジャンプって言うらしいよ!!!(震え声
昭和生まれの平成ジャンプカウントダウンが開始された...1年半......
前日の2017年10月20日には、政府が天皇陛下が2019年3月末で退位し、4月1日から即位・新元号を施行する方向で最終調整に入ったとの報道があった。(現在は削除)
年が明けて2018年1月4日、J-CASTニュースが「ジャニーズのアノ人達も『平成JUMP』に?! ネットで話題の新定義」と題した記事を掲載した。
平成ジャンプを、「結婚しないまま、平成を終える昭和生まれの人」としてネット上で新定義された言葉として紹介しているが、この時は「ジャンプ」ではなく「JUMP」だった。
ハフポスト日本版編集部の調べでは、メディアに「平成ジャンプ」が登場するのはこれが初めて。この記事で、SNSでは「平成ジャンプ」という言葉が「平成で結婚しない」という定義とともに広まった。
「私、平成ジャンプじゃん」
「世の中怖いよ」
「平成ジャンプの予定だし、次の元号にも着地しないわと思いました(笑)」
「余計なお世話めちゃくちゃ笑った」
高橋真麻さん「平成ジャンプ免れたい」
3月1日には、この日あったイベントに登壇したフリーアナウンサーの高橋真麻さんが、「昭和生まれで平成のうちに結婚できないで、元号が変わってから結婚するのを“平成ジャンプ”というんですって」と発言。
「この前も女子会で『平成ジャンプにならないように頑張ろう』って言ってた。元号が変わるまでにはしたいなと思う」と結婚願望を明かしている。この発言内容が多くのメディアに転載された。
高橋さんは12月に一般男性と結婚した。今年3月28日には再び、登壇したイベントで「昭和に生まれたのに、平成で結婚できない人のことを『平成ジャンプ』という話を聞いた。どうにか『平成ジャンプ』を免れたいと思っていた。平成の時代に独身から卒業できてよかった」と語り、このエピソードも様々なメディアに登場した。
NHKの投稿には批判も
12月には、NHKニュースが公式Twitterで「『平成JUMP』という言葉を聞いたことがありますか?」と投稿。
平成のうちに結婚したカップルや「焦って結婚しても仕方ないのでジャンプ上等です」という男性のコメントを紹介した動画とともに、「多様性の時代の中、あなたはどう思いますか?」と意見を求めた。
この投稿は4000以上リツイートされたが、「聞いたことない」「蔑視だよね?」など不快感を示すコメントが相次いでいた。
2019年2月には読売新聞オンラインが「『平成ジャンプ』の期限が迫っていることに加え、19年10月に導入が検討されている消費増税を見据え、ブライダル業界はにわかに沸き立っている」と元号が変わる節目の結婚式事情を伝える記事を掲載した。
「令和」発表で市民権?
そして4月1日の新元号「令和」の発表を境に、「平成ジャンプ」というワードが市民権を得たようだ。テレビでも「平成ジャンプ」や「平成駆け込み婚」という言葉が使われるように。
俳優の新納慎也さんは3月31日に「昭和生まれで平成を生き、独身のまま新元号を迎える人を『平成ジャンプ』って呼ぶらしい…(笑)まもなく僕、Hey!Say!JUMPになります。。。」と投稿。
タレントの橋本マナミさんも「私も平成ジャンプしました」と面白がった。
ブライダルジュエリー専門店「銀座ダイヤモンドシライシ」は3月に未婚の男女500人に行った調査として、昭和生まれの87%が、結婚するなら「平成」より「令和元年」を選んだと発表。この結果に対して、「むしろ『平成ジャンプ』に積極的なようです」とコメントを付けた。
結婚のタイミングをあれこれ言うことに否定的なコメントも少なくないが、ネット上では「平成で結婚できなかったから 今後、俺のことは 平成ジャンプって呼んでほしい」など、総じて面白がっているようだ。